こんにちは、せーじんです。
今日はNASDAQ100を投資対象とした、配当利回り12%を誇る超高配当ETFを紹介しますよ。
その名も、
というETFです。
ナスダック100で高配当?ナスダック100はグロース中心だから配当は低いはずだよね
普通はそうだよね。でも今回紹介するETFは、ちょっと難しいカラクリを使って高配当を実現しているんだよ
コールオプション?プレミアム??
なんだか眠くなってきたよ
順番に解説していくから、まだ寝ないでよw
難しいこと言ったら、すぐ寝るからね
QYLDは、オプション取引を活用した超高配当ETF
QYLDの仕組みについて、運用会社グローバルXのWebページにはこのように説明があります。
カバード・コールの売りで利益を生み出そうとするもので、ナスダック100指数の株式を購入し、対応する同一指数のコール・オプションを売却します。
出典元:グローバルX Webページ
もう、まぶたが重いんですが
これから説明するから、もうちょい我慢だよ
カバード・コールとは
原資産(株式など)を保有しつつ、コールオプションを売る戦略です。
一定以上の株価上昇の利益を放棄する代わりに、対価としてオプションプレミアムを受け取ります。
コールオプションとは
- 株などの資産を、定められた期日に、定められた価格で買う(または売る)権利の取引がオプション取引
- 買う権利のことを「コールオプション」、売る権利のことを「プットオプション」といいます
- オプションの買い手は、売り手に対してオプションプレミアムを支払います
QYLDは、コールオプションを売ったお金で儲けるってことね
株価がどう動いてもオプションプレミアムは受け取れるし、現物株を持った上での売りだから、安全性は比較的高いんじゃないかな
安全性が比較的高いと思われるカバードコール戦略ですが、当然デメリットもあります。
整理しましょう。
そうか。株価上昇の利益を捨てる代わりにプレミアムをもらうんだね
NASDAQ100は史上最強の指数で、株価がよく上昇するよね。でも一定以上の上昇益は捨てることになるんだよ
QYLDの概要
QYLDの概要を確認していきましょう。
ティッカー | QYLD |
---|---|
運用会社 | グローバルX |
設定日 | 2013.12.11 |
総資産 | 49億7927万ドル |
分配金 | 11.96% |
分配頻度 | 毎月分配 |
経費率 | 0.60% |
総資産が急上昇中!投資家からの注目が集まる
現在の総資産は50億ドル。
かなり大きな規模のETFですね。
この記事初稿時点(2021年7月)の総資産が37億0767万ドルだったので、
3ヶ月で総資産が30%増加していることになります。
3ヶ月で30%増!?
投資家からの人気が集まってるということだね
経費は安くはないが許容範囲、なんといっても高配当が特徴
経費は0.60%か。ちょっと高めだよね
そうだね。ただ、それに見合ったパフォーマンスがあれば全く問題ないと思うよ
それにしても、注目すべきは分配利回りです。
直近12ヶ月間の分配金を現在の株価で割ると、利回りは11.96%!
以前紹介した超高配当のBDC銘柄に引けを取りません。
さらに毎月分配というのは嬉しいですね。
利益の90%を配当に回すことで法人税を免除される形態の会社。
過去に取り上げたのは、この3銘柄です。
構成銘柄
構成銘柄を確認しましょう。
順位 | ティッカー | 銘柄 | % |
---|---|---|---|
1 | AAPL | アップル | 11.484 |
2 | MSFT | マイクロソフト | 10.230 |
3 | AMZN | アマゾン | 8.672 |
4 | FB | フェイスブック | 4.240 |
5 | GOOG | アルファベット クラスC | 4.168 |
6 | GOOGL | アルファベット クラスA | 3.871 |
7 | TSLA | テスラ | 3.656 |
8 | NVDA | エヌビディア | 3.502 |
9 | PYPL | ペイパル | 2.554 |
10 | ADBE | アドビ | 2.137 |
合計 | 54.514 |
これは、NASDAQ100の構成銘柄と同じですね
株価チャートを確認しよう!
では株価の動きを確認しましょう。
どんな値動きをするんだろう。想像できないなあ
わかりやすいように、NASDAQ100のETF(QQQ)と、S&P500のETF(SPY)との比較で見ていこう
2021年初来ではナスダック100やS&P500を下回っています
まずは、2021年初来の株価チャートを確認しましょう
黒:QYLD 青:NASDAQ100(QQQ) 赤:S&P500(SPY)
あれー、QYLDは株価が上がってないね
株価上昇の利益は捨てて、配当に全力っていうETFだからね。
株価は上がらないけど、これは高配当投資にはメリットが大きいんだよ
株価が上がらないのがメリット?
株価が上がらなければ、買い増ししやすいからね
株を売る気のない長期の高配当投資では、
株価の上昇はメリットではなくデメリットになるんだね
2020年初来で見ると、コロナショックでのダメージは大きい
コロナショックを挟んだ、2020年初来の株価チャートを確認しよう!
黒:QYLD 青:NASDAQ100(QQQ) 赤:S&P500(SPY)
2020年初めから見ても、QYLDは全然上がってないね
ナスダック100(QQQ)は75%も上がってるのにね。
この上昇を捨てて10%の配当を得ることを、どう思うかな
コロナショックでの下落幅を比較しよう
コロナショックでの落ち込みは、QYLDが一番小さく見えるね
じゃあ、じっくり比較してみよう!
QYLDは、NASDAQ100やS&P500より下落が小さかったんだね!
株価の上昇は捨ててるけど、下落への強さもあるみたいだね
設定来(2013年12月)のリターンを確認しよう
QYLDが運用を開始した2013年からのリターンを確認しましょう。
黒:QYLD 青:NASDAQ100(QQQ) 赤:S&P500(SPY)
長期で見てもマイナスリターンなんだね
値上がりには全く期待できないね。
でもコロナショック以外は大きな下落もないし、安定感は抜群だよ。
QYLDの魅力は配当金だもんね!
分配金は増配傾向。2021年も増配しています
QYLDの設定来分配金の経過を確認しましょう。
2021年は10月末までのデータです
2014から2017はずっと減配してたけど、2018以降は増配が多いね
右肩上がり、とはいかないけどね
配当金の詳しいデータはこちらです
年 | 年間分配額 | 増配率 |
---|---|---|
2014 | 2.57894 | ー |
2015 | 2.20396 | -14.5% |
2016 | 2.04401 | -7.3% |
2017 | 1.88535 | -7.8% |
2018 | 2.65026 | 40.6% |
2019 | 2.32270 | -12.4% |
2020 | 2.54486 | 9.6% |
2021 | 2.126568 | 1.6% |
- 2021年は1月から10月までのデータ
- 2021年の増配率は、2020年1月から10月までの分配金との比較
2021年は、少しだけ増配してるんだね
直近3ヶ月では減配傾向が強くなってるから、年間通すと昨年並くらいになりそうかな
配当+値上がりのトータルリターンを見てみよう
それでは、配当+値上がりのトータルリターンを確認していきましょう。
長期的なリターンを比較していきますよ〜
設定来(2013年12月)のトータルリターンは
設定来のトータルリターンを比較しましょう。
緑:QYLD 青:NASDAQ100(QQQ) 黄:S&P500(SPY)
うーん、配当込みでもインデックスには及ばないねえ
具体的な数字で比較してみよう
QYLDのリターンの大部分は配当金だから、税金も多くかかるんだよ。
だから実際のリターンの差は、このチャート以上に大きいね
えー
QYLDに投資するメリットとは
トータルリターンではS&P500やNASDAQ100に及ばないQYLD
そんなQYLDは投資する価値がないのでしょうか?
いやいや、そんなことはありませんよ
インデックス投資のデメリット
インデックス投資は資産が増加するのは、確かに早いでしょう。
しかし資産額が増えても、日々の生活にはなんの影響もありません。
インデックス投資は、売却しなければ現金化できませんからね。
そして、インデックスは売り時が難しいんです。
ある程度資産が育ってくると、売却するのが難しくなります。
持ち続ければさらに増えることが期待できる資産を売るわけですからね。
QYLDのメリット
一方、配当金であれば手元にキャッシュが振り込まれてきます。
保有資産を売る必要はありません。
しかも、QYLDなら毎月振り込み!
振り込まれたキャッシュを生活に使えば日々の生活が豊かになり、資産が増えていることが実感として味わえます。
もちろん再投資すれば、資産形成の速度があがりますよ
さらに、暴落時でもインデックスほど下落しない上に、高額な配当が振り込まれます。
狼狽売りを防ぐ効果も期待できますね。
トータルのリターンが低くても、投資する価値はあるんだね
まとめ
ということで、今日は毎月分配、利回り12%を誇るETF
「グローバルX NASDAQ100・カバード・コール ETF(QYLD)」
を紹介しました。
QYLDはオプション取引を活用した高配当ETF
このQYLD、カバードコールというすこし複雑な運用をしているETFなんです。
カバードコールとは、NASDAQ100の現物を保有しつつコールオプションの売りで得られるプレミアムを得ることで資産価値を上昇させる戦略です。
売りで得られるプレミアムは、NASDAQ100が下落しても得ることができる
NASDAQ100が一定以上の株価上昇しても、その恩恵は受けられない
現物株を保有しながら売るため、比較的安全性が高い
などの特徴があります。
リターンは、インデックスには及ばない
QYLDの株価は少しづつ下がっています。
キャピタルゲインを期待して投資するものではありません。
このETFの魅力は、なんといっても高い配当金ですね。
配当込みリターンでもS&P500やNASDAQ100には及びませんが、
2013年12月から7年半で100%のリターンを得ています。
ポートフォリオのトッピングに加えても面白いかも
QYLDは、ポートフォリオの中心ではなく、トッピングとして加えても面白いかもしれませんね。
毎月多くの配当金を受け取れるため、
- 保有資産を売却するという心理的負担がない
- キャッシュフローが改善し、生活が豊かになる
- 暴落時でも狼狽売りする危険性が小さい
と言うメリットがあります。
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以上【QYLD】配当利回り12%、毎月配当の超高配当ETFは危険?その仕組みを解説という話題でした。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。