こんにちは、せーじんです。
今日は米国の11あるセクターの1つ、資本財セクターについてお話をしますよ。
資本財セクターって、どんな業種なの?
航空、建設・土木、物流サービス、鉄道、運送なんかが入っているセクターだよ。主に企業向けの製品やサービスを展開している業種だね
企業向けかあ。
資本財セクターの市場規模を確認しましょう。
こういう時は、S&P500のセクター別構成比を確認するとわかりやすいですよ。
資本財の割合は8.8%で、11業種中6番目。
全体の真ん中くらいって感じだね
2021年5月17日、株価指数に加えて、コモディティでもCFDが使えるようになりました。
CFD始めるなら今がチャンス!
\ 口座開設無料 /
資本材セクターは景気に敏感なセクター
資本財セクターは、どんな値動きをするの?
資本財セクターの特徴は、景気に敏感ということだね
資本財セクターの提供する製品やサービスは、航空、建設・土木、物流サービス、鉄道、運送です。
主に企業向けの、大型で高額なものが多いですね。
企業が大型・高額なものに投資できるのは、企業に潤沢な資金がある好景気の時ですね。
企業は更なる売り上げ増を目指し、積極的に設備投資をしていきます。
しかし売り上げ・業績が下がる不景気の時には、大きな設備投資は真っ先に削られる支出の1つです。
今回登場するETFは、この2つ
資本財セクターETFって、どんなのがあるの?
今日登場するのは、この2つのETFだよ
- 資本財セレクト・セクター SPDR ファンド (XLI)
- バンガード・資本財セクターETF (VIS)
それでは、一覧表にしてみてみましょう!
ティッカー | XLI | VIS |
運用会社 | ステートストリート | バンガード |
設定日 | 1998.12.22 | 2004.9.29 |
総資産 | 211億ドル | 56億3600万ドル |
出来高 | 10,342,322 | 95,437 |
分配金 | 1.13% | 1.01% |
経費率 | 0.12% | 0.10% |
経費が安いのはVISだけど、XLIもほとんど同じくらい
VISの経費は0.10%。ものすごく安いね
さすが安さに定評のあるバンガードだよね。0.10%は安い!
ただし、XLIも経費率が0.12%と非常に安いですから、差はほんの少しだけです。
資産総額、流動性はXLIが最も優れています
資産総額と出来高は、XLIの方がかなり大きいよね。
出来高は100倍以上だよ
そうだね。機関投資家はXLIを運用しているから、出来高の差がすごいよね。流動性はXLIの方が大きいから、大きな資産を運用しているのなら、XLIの方が売買しやすいだろうね
普通の個人投資家なら、VIS程度の出来高があれば困ることはありませんよ。
株価チャートでリターンを確認しよう!
ではリターンを確認しましょう。
わかりやすいように、S&P500のETF・SPYとの比較で見ていきます。
2021年初来ではS&P500を大きく上回っています
まずは、2021年初来の株価チャートを確認しましょう
資本財ETFは、好調なS&P500よりもさらに上だね
実体経済の回復とともに、各企業の資本財への投資が見込まれるからね
。XLIとVISは、ほとんど同じように動いてるね
2020年初来で見ると、コロナショックでのダメージは大きい
コロナショックを挟んだ、2020年初来の株価チャートを確認しよう!
2020年初めから見ると、リターンはS&P500とおなじくらいだね
最終的なリターンはおなじくらいだけど、資本財セクターはS&P500に負けている期間がすごく長いよね
ほんとだ。これは、コロナ禍で企業活動が止まってたからだよね
そのとおり。で、2020年11月のワクチン開発の報道が出てから、急上昇を続けていると
コロナショックでの値動きを比較しよう
コロナショックでの落ち込みが、明らかにS&P500より大きいよね
コロナショックでの下落幅と、その後の回復の値動きを見てみよう!
やっぱり下落幅が大きいね!
実際に、どんな下落だったのか数値で比較しようか
コロナショックで大きく下落した、資本財セクター
S&P500(SPY)の34%下落に対して、資本財ETFは42%の下落。
ずいぶん大きいね
回復までにかかった期間も、S&P500以上でした
コロナショック前の高値を回復した時期を比較しましょう
- S&P500 2020年8月中旬
- 資本財ETF 2020年11月中旬
回復するまで、3ヶ月も遅かったんだね
資本財セクターは下落が大きくて、回復まで時間がかかったということ。景気に敏感ということがよくわかるね
長期(16年間)リターンを確認しよう
長期リターンを確認しましょう。VISが運用を開始した2005年からの16年余りの株価チャートです。
長期の株価チャートを見ると、XLIとVISにもずいぶん差があるね
そうだね。一貫して青のVISのほうが高リターンになってるね。
原因は、信託報酬の僅かな差と、構成銘柄かな
ほんとだ!16年間で40ポイントも差がついちゃってるからね。
構成銘柄はどれくらい違うんだろう
この期間は小型株が好調!
ちなみに、この16年間は小型株が大型株を上回る成長を見せています。
青:小型株(IWM)
黒:大型株(S&P500、SPY)
おお!青の小型株は、黒のS&P500よりもよく伸びてるね
XLIとVISの動きに似てるよね。ここにパフォーマンスの違いの秘密がありそう
構成銘柄を比較。銘柄数は違っても、上位陣は同じ顔ぶれ
大型株のみのXLI、中小型株を含むVIS
ETF | 構成銘柄数 |
---|---|
XLI | 74 |
VIS | 356 |
セクターETFは、いつもバンガードの方がよく分散されてるよね
元になる指数が違うからね
XLI
S&P500の中の資本財セクター銘柄を集めたETF
VIS
米国全体の資本財セクター銘柄を集めたETF
わかりやすく言えば、大企業のみのXLIと、中小企業も含むVISといったところですね
VISは小型株を含んでるからパフォーマンスがよかったんだね
構成銘柄の上位10銘柄は、ほとんど同じ
大企業のみのXLIと、中小を含むVIS、構成銘柄の上位10銘柄を比較しましょう。
順位 | XLI | 比率(%) | VIS | 比率(%) |
---|---|---|---|---|
1 | ハネウェルインターナショナル | 5.03 | ハネウェルインターナショナル | 3.81 |
2 | ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS) | 4.78 | ユニオン・パシフィック | 3.65 |
3 | ユニオン・パシフィック | 4.71 | ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS) | 3.55 |
4 | ボーイング | 4.39 | レイセオン・テクノロジーズ | 3.08 |
5 | レイセオン・テクノロジーズ | 4.22 | ボーイング | 3.06 |
6 | キャタピラー | 4.16 | キャタピラー | 3.02 |
7 | ゼネラル・エレクトリック(GE) | 3.87 | ゼネラル・エレクトリック(GE) | 2.8 |
8 | 3M | 3.69 | 3M | 2.77 |
9 | ディア | 3.5 | ディア | 2.69 |
10 | ロッキード・マーチン | 2.97 | ロッキード・マーチン | 2.33 |
上位10銘柄合計 | 41.32 | 上位10銘柄合計 | 30.76 |
構成銘柄は2銘柄とも同じだね
ほんとだね。順位がちょっと入れ替わってるだけでメンバーは同じだね
3つのETFは上位10銘柄は全て共通、ところどころ順位が入れ替わっているだけです
XLIよりVISの方がよく分散されています
分散性を比較してみましょう
分散性に関する項目を抜き出すと、このようになります。
XLI | VIS | |
---|---|---|
構成銘柄数 | 74銘柄 | 356銘柄 |
上位10銘柄の割合 | 41.32% | 30.76% |
上位3銘柄の割合 | 14.52% | 11.01% |
構成銘柄数は、VISはXLIの4倍以上の銘柄に分散しています。
上位10銘柄の占める割合、上位3銘柄の占める割合は両ETFともよく抑えられた数字になっていますが、
VISの方がより低く抑えられており、より分散性が高いことを示してます。
上位10銘柄でわずか30%は、かなり低い割合ですね。分散性は優れています。
資本財ETFの構成銘柄は、ダウ平均構成銘柄が多い
資本財ETFの構成銘柄は、ダウ平均の構成銘柄が多く含まれています。
ダウ平均って、よくニュースで聞くやつね
米国経済を代表する30銘柄で構成されている株価指数です。
構成銘柄はわずか30ですが、バランス良くセクター分散されています。
2021年に入って以降、S&P500やNASDAQ100を上回るパフォーマンスを見せ、注目されています。
NYダウ、ダウ工業株30種などとも呼ばれます。
XLIやVISの構成上位銘柄のうち、ダウ平均構成銘柄はこの通りです。
名称 |
---|
ハネウェルインターナショナル |
ボーイング |
キャタピラー |
3M |
10銘柄中4銘柄がダウ平均構成銘柄!
資本財セクターの上位陣は、米国を代表する大企業の集まりということがよくわかるね
配当金を確認しましょう
XLIの10年間の配当状況はこちら
VISの10年間の配当状況はこちら
両方とも、配当金はかなり増えてるね!
XLIの詳しいデータはこちらです。
年 | 配当額 | 年末利回り | 増配率 |
---|---|---|---|
2020年 | $1.3733 | 1.56% | -13.25% |
2019年 | $1.5830 | 1.99% | 14.29% |
2018年 | $1.3851 | 2.25% | 3.53% |
2017年 | $1.3379 | 1.88% | 4.05% |
2016年 | $1.2857 | 2.24% | 12.97% |
2015年 | $1.1381 | 2.38% | 8.70% |
2014年 | $1.0470 | 2.10% | 19.61% |
2013年 | $0.8754 | 1.93% | 1.77% |
2012年 | $0.8602 | 2.67% | 18.21% |
2011年 | $0.7277 | 2.60% | 24.19% |
VISのデータはこちら
年 | 配当額 | 年末利回り | 増配率 |
---|---|---|---|
2020年 | $2.3542 | 1.39% | -9.19% |
2019年 | $2.5925 | 1.72% | 13.02% |
2018年 | $2.2938 | 1.98% | 0.68% |
2017年 | $2.2784 | 1.69% | 5.38% |
2016年 | $2.1620 | 1.95% | 10.31% |
2015年 | $1.9600 | 2.12% | 17.15% |
2014年 | $1.6730 | 1.75% | 57.83% |
2013年 | $1.0600 | 1.20% | -28.76% |
2012年 | $1.4880 | 2.40% | 22.27% |
2011年 | $1.2170 | 2.30% | 43.01% |
2020年は減配してるけど、それ以外はかなり増配してるね
この10年間で配当額は、XLIは1.88倍、VISは1.93倍になってるね。
配当利回りは低いのですが、毎年大幅に増配しています。
将来の高配当を夢見て、持っておくのもありかも。
まとめ
資本財セクターのETF、XLIとVISを調査しました。
資本財セクターは、航空、建設・土木、物流サービス、鉄道、運送の銘柄から構成するセクターです。
代表的なオールドエコノミーといった感じですね。
景気に敏感で、好景気ではよく伸び、不景気ではよく沈む
構成銘柄にダウ平均構成銘柄が多い
景気拡大期は、株価の上昇がS&P500を上回る
などの特徴があります。
XLIとVISの違いは、
XLIは大型株のみ、VISは中小型株も含むこと
この違いにより、長期的なリターンには大きな違いが出ています。
しかし、構成の上位銘柄はさほど変わりません。
配当金も、高配当とは言えませんが増配を繰り返しています。
配当額は両者とも10年間で2倍近くなっています。
資本財セクターETFの選び方
最後に、せーじんの考える資本財セクターETFの選び方を紹介したいと思います。
機関投資家のような大規模な資産を運用しており、非常に高い流動性を重要視している
⇨資産総額と出来高が圧倒的に高いXLIがおすすめ
上記に当てはまらない、一般的な個人投資家
⇨わずかだが経費が安く、分散が効いていてリターンの高いVISがおすすめ
\ 口座開設無料 /
仕事に、育児に、遊びに忙しいサラリーマンの資産形成には、CFDという選択肢も有力です。
CFDの取引時間はほぼ24時間。
夕食後のゆっくりした時間や通勤の電車の中、祝日でも取引することができます。
またレバレッジをかけた投資をすることもできますから、
少ない資金からから大きな利益を狙うこともできます。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
DMMFX
業界最狭水準のスプレッドで取引手数料は0円!せーじんのポートフォリオ
せーじんの資産状況はこちらの記事で解説しています。
せーじんの取引履歴はこちらです
4月から、S&P500のETF、レバレッジ投資信託、CFDのリターン比較実験をしています。興味のある方は、こちらの記事へお越しください。
以上【VIS、XLI】資本財セクターETFを徹底比較!投資家タイプ別おすすめ紹介という話題でした。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。