こんにちは、せーじんです。
今日は米国の11あるセクターの1つ、一般消費財セクターについてお話をしますよ。
一般消費財セクターって、どんな業種なの?
自動車やアパレル、レジャー用品、ホテル、レストランなんかが入ってるセクターだよ。
名前の通り、一般消費者向けの小売、製造業、サービス業だね
自動車とレストランが同じセクターっていうのも、変な感じだね
一般消費財セクターの市場規模を確認しましょう。
こういう時は、S&P500のセクター別構成比を確認するとわかりやすいですよ。
一般消費財の割合は12.1%で、11業種中3番目。
かなり上位のセクターなんだね
一般消費財セクターは景気に敏感なセクター
一般消費財セクターは、どんな値動きをするの?
このセクターの特徴は、景気に敏感ということだね
一般消費財セクターの提供する製品やサービスは、自動車やアパレル、レジャー用品、ホテル、レストランです。
こういった消費は、不景気で収入が減少した場合に真っ先に節約する部分でしょう。
逆に、景気が良く収入が上がったときには積極的に消費される部分ですね。
一般消費財は、景気の波に敏感に反応するセクターなんです。
景気の波の影響をあまり受けず、不景気時に強いセクターとしては、生活必需品セクターがあります。
詳しくはこちらで紹介しましたので、ぜひご覧ください。
今回登場するETFは、この2つ
一般消費財セクターETFって、どんなのがあるの?
今日登場するのは、この2つのETFだよ
- 一般消費財 セレクト セクター SPDR ファンド (XLY)
- バンガード 米国一般消費財 サービス セクターETF (VCR)
それでは、一覧表にしてみてみましょう!
ティッカー | XLY | VCR |
運用会社 | ステートストリート | バンガード |
設定日 | 1998.12.22 | 2004.1.30 |
総資産 | 192億6200万ドル | 60億0300万ドル |
出来高 | 4,707,076 | 53,097 |
分配金 | 0.92% | 1.46% |
経費率 | 0.12% | 0.10% |
経費が安いのはVCRだけど、XLYもほとんど同じくらい
VCRの経費は0.10%。ものすごく安いね
さすが安さに定評のあるバンガードだよね。0.10%は安い!
ただし、XLYも経費率が0.12%と非常に安いですから、差はほんの少しだけです。
資産総額、流動性はXLYが圧倒的に大きいですね
資産総額と出来高は、XLYの方がかなり大きいよね。
出来高は90倍近くもあるよ
そうだね。機関投資家はXLYを運用しているから、出来高の差がすごいよね。流動性の大きさが全然違うから、すごく大きな資産を運用しているのならXLYの方が売買しやすいだろうね
普通の個人投資家なら、VCR程度の出来高があれば困ることはありませんよ。
株価チャートでリターンを確認しよう!
ではリターンを確認しましょう。
わかりやすいように、S&P500のETF・SPYとの比較で見ていきます。
2021年初来ではS&P500を下回っています
まずは、2021年初来の株価チャートを確認しましょう
青:XLY 赤:VCR 黒:S&P500(SPY)
一般消費財ETFは、好調なS&P500よりも下だね
そうだね。5月中旬の下げが、一般消費財はすごく大きいね。
VCRとXLYも、かなり大きな差があるね
同じセクターのETFで、ここまで大きな差があるのも珍しいよね。あとで構成銘柄を比較しよう
2020年初来で見ると、コロナショックでのダメージは大きい
コロナショックを挟んだ、2020年初来の株価チャートを確認しよう!
青:XLY 赤:VCR 黒:S&P500(SPY)
2020年初めから見ると、S&P500よりもかなりいい感じだね!
コロナショックから2021年2月ごろまでは、すごい勢いで成長していたんだね。NASDAQ100と似たような動きにみえるなあ
ということで、NASDAQ100(QQQ)をいれて、チャートを見てみましょう。
青:XLY 赤:VCR 黒:S&P500(SPY) 黄:ナスダック100(QQQ)
VCRはナスダック100(QQQ)と似てるんだね
この期間だけは、だと思うけどね
2021年のパフォーマンスが悪かったのは、すでに株価が上がりきっていたからかもしれません。
そして、この期間で見てもVCRとXLYのリターンには大きな違いがありますね。
コロナショックでの値動きを比較しよう
コロナショックでの落ち込みは、S&P500と同じくらいかなあ
コロナショックでの下落幅と、その後の回復の値動きを見てみよう!
青:XLY 赤:VCR 黒:S&P500(SPY)
XLYはS&P500と同じくらいの下落だけど、VCRは少し大きく下がってるね
実際に、どんな下落だったのか数値で比較しようか
コロナショックでの下落はS&P500と同程度
S&P500(SPY)の34%下落に対して、XLYは同じくらい、VCRは38%の下落かあ
回復までにかかった期間も、S&P500以上でした
コロナショック前の高値を回復した時期を比較しましょう
コロナ前高値回復時期 | |
---|---|
一般消費財 | 2020年7月上旬 |
S&P500 | 2020年8月中旬 |
回復するまで、1ヶ月ちょっと早かったんだね
長期(17年間)リターンを確認しよう
長期リターンを確認しましょう。VCRが運用を開始した2004年1月からの17年ほどの株価チャートです。
青:XLY 赤:VCR 黒:S&P500(SPY)
長期で見ると、S&P500よりもはるかに上に行ってる!
そうだね。長期的には、市場平均よりも大きな成長をしているセクターなんだね
VCRとXLYの差が大きくなったのは、最近のことなんだね
コロナ前までは、ほとんど同じだもんね。この理由が気になるね
構成銘柄を比較。銘柄数は違っても、上位陣は同じ顔ぶれ
大型株のみのXLY、中小型株を含むVCR
ETF | 構成銘柄数 |
---|---|
XLY | 62 |
VCR | 295 |
セクターETFは、いつもバンガードの方がよく分散されてるよね
元になる指数が違うからね
XLY
S&P500の中の一般消費財セクター銘柄を集めたETF
VCR
米国全体の一般消費財セクター銘柄を集めたETF
わかりやすく言えば、大企業のみのXLYと、中小企業も含むVCRってこと
構成銘柄の上位10銘柄は、まったく同じ
大企業のみのXLYと、中小を含むVCR、構成銘柄の上位10銘柄を比較しましょう。
順位 | XLY | % | VCR | % |
---|---|---|---|---|
1 | アマゾン | 24.25% | アマゾン | 22.80% |
2 | テスラ | 12.40% | テスラ | 9.53% |
3 | ホームデポ | 8.71% | ホームデポ | 6.37% |
4 | マクドナルド | 4.65% | マクドナルド | 3.23% |
5 | ナイキ | 4.05% | ナイキ | 3.03% |
6 | ロウズ | 3.65% | ロウズ | 2.67% |
7 | スターバックス | 3.49% | スターバックス | 2.47% |
8 | ターゲット | 3.07% | ターゲット | 1.93% |
9 | ブッキング | 2.49% | ブッキング | 1.87% |
10 | TJX | 2.06% | TJX | 1.58% |
10銘柄合計 | 68.82% | 10銘柄合計 | 55.48% |
構成銘柄が全く同じ!?
ほんとだね。比率が違うだけで、銘柄も順位もまったく同じ!
3つのETFは上位10銘柄は全て共通、ところどころ順位が入れ替わっているだけです
上位銘柄は全く同じ!なら、なぜ値動きがこんなにちがうの?
上位銘柄は全く同じだったよね。じゃあ、値動きが違うのはどうして?
その原因は、テスラとゲームストップだね
テスラのS&P500入り
テスラは、2020年12月にS&P500に組み込まれました。
つまり、2020年12月まではVCRにはテスラがあり、XLYにはテスラがなかったということ。
ここでテスラの株価チャートを見てみましょう。
青:XLY 赤:VCR 黒:S&P500(SPY) 黄:テスラ
この強烈な上昇の恩恵を、VCRは受けることができ、XLYは受けることができなかったということですね。
ゲームストップ(GME)の急騰
テスラは、2020年12月にS&P500に組み込まれました。
2021年に入ってからの値動きの違いは別の原因です
2021年になってからの違いの原因は、ゲームストップ(GME)をはじめとした小型株バブルにあります。
ここでGMEの、2021年初来株価チャートを見てみましょう。
青:XLY 赤:VCR 黒:S&P500(SPY) 黄:GME
GMEは小型株ですからVCRの中で占める割合はわずかです。
が、これだけの上昇をすれば、多少はVCR自体の株価を押し上げる力を持ちます。
この強烈な上昇の恩恵を、VCRは受けることができ、XLYは受けることができなかったということですね。
VCRのほうが、よく分散されています
分散性を比較してみましょう
分散性に関する項目を抜き出すと、このようになります。
XLY | VCR | |
---|---|---|
構成銘柄数 | 62銘柄 | 295銘柄 |
上位10銘柄の割合 | 68.8% | 55.5% |
上位3銘柄の割合 | 45.4% | 38.7% |
VCRはXLYの5倍近い銘柄に分散しています。
上位10銘柄の占める割合、上位3銘柄の占める割合を見ても、
VCRの方が低く抑えられており、より分散性が高いことを示してます。
配当金を確認しましょう
XLYの10年間の配当状況はこちら
VCRの10年間の配当状況はこちら
両方とも、だいたい右肩上がりの配当金だね
XLYの詳しいデータはこちらです。
年 | 配当額 | 年末利回り | 増配率 |
---|---|---|---|
2020 | $1.3214 | 0.82% | -17.59% |
2019 | $1.6034 | 1.29% | 20.52% |
2018 | $1.3305 | 1.38% | 12.28% |
2017 | $1.1850 | 1.25% | -14.74% |
2016 | $1.3898 | 1.80% | 24.48% |
2015 | $1.1164 | 1.53% | 18.56% |
2014 | $0.9417 | 1.42% | 21.34% |
2013 | $0.7760 | 1.28% | 2.11% |
2012 | $0.7600 | 1.79% | 25.30% |
2011 | $0.6066 | 1.76% | 23.27% |
VCRのデータはこちら
年 | 配当額 | 年末利回り | 増配率 |
---|---|---|---|
2020 | $4.7070 | 1.71% | 111.48% |
2019 | $2.2257 | 1.20% | 8.10% |
2018 | $2.0589 | 1.42% | 9.46% |
2017 | $1.8809 | 1.26% | -8.43% |
2016 | $2.0540 | 1.69% | 27.10% |
2015 | $1.6160 | 1.42% | 12.85% |
2014 | $1.4320 | 1.34% | 56.85% |
2013 | $0.9130 | 0.94% | -20.75% |
2012 | $1.1520 | 1.70% | 35.05% |
2011 | $0.8530 | 1.56% | 42.17% |
たまに減配はあるけど、両方ともかなりの増配率だね
この10年間で配当額は、XLYは2倍以上、VCRは6倍近くになってるね
配当利回りは1〜2%程度なのですが、毎年大幅に増配しています。
将来の高配当を夢見て、持っておくのもありかも。
まとめ
一般消費財セクターとは
一般消費財は、自動車やアパレル、レジャー用品、ホテル、レストランなどの銘柄から構成するセクターです。
一般の消費者がよく使う、生活必需品ではないものというとイメージしやすいと思います。
景気に敏感で、好景気ではよく伸び、不景気ではよく沈む
景気拡大期は、株価の上昇がS&P500を上回る
などの特徴があります。
一般消費財セクターETF、XLYとVCR
一般消費財セクターのETFには、XLYとVCRがあります。
XLYとVCRの違いは、
XLYは大型株のみ、VCRは中小型株も含むこと
この違いにより、直近2年ほどではリターンには大きな違いが出ています。
これは、
- テスラの暴騰(2020)
- 小型株バブル(2021)
が原因です。
しかし、テスラはすでにXLYに組み入れられましたし、
小型株バブルがこれから何度もやってくるとは考えにくいです。
今後のリターンはさほど変わらないのではないでしょうか。
現在では、構成の上位銘柄は全く同じです。
配当金も、高配当ではありませんが大きく増配しています。
配当額は両者とも10年間で2倍以上になっています。
一般消費財セクターETFの選び方
最後に、せーじんの考える一般消費財セクターETFの選び方を紹介したいと思います。
機関投資家のような大規模な資産を運用しており、非常に高い流動性を重要視している
⇨資産総額と出来高が圧倒的に高いXLYがおすすめ
上記に当てはまらない、一般的な個人投資家
⇨わずかだが経費が安く、分散が効いていて小型株の上昇も拾えるVCRがおすすめ
\ 口座開設無料 /
仕事に、育児に、遊びに忙しいサラリーマンの資産形成には、CFDという選択肢も有力です。
CFDの取引時間はほぼ24時間。
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以上【VCR、XLY】一般消費財セクターはグロースとバリューが入り混じる高成長・増配ETF【アマゾン、テスラ、ナイキ、マクドナルド】という話題でした。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。