【XLE、VDE、IXC】コロナ禍終了で急騰する原油!注目のエネルギーセクター株ETFを徹底比較

2021年6月15日改稿しました。

こんにちは、せーじんです。

今日は、エネルギー関連の銘柄に投資するETFについてのお話です。

今話題のクリーンエネルギーじゃなくて?

じゃなくて、原油とかガスとかのお話だよ。

世界中で新型コロナウイルスのワクチン接種が進み、経済の回復が進んでいます。

貿易量が急回復しており、これに伴って海運とエネルギーの需要が非常に高まっています

てことは、エネルギー株が上がってるの?

直近半年間のセクター別リターンを見てよ

出典元:finviz.com

うわ!エネルギーがリターントップ!?

エネルギーセクターの市場規模を確認しましょう。

こういう時は、S&P500のセクター別構成比を確認するとわかりやすいですよ。

出典元:ステートストリートWebページのデータを使ってせーじんが作成しました

エネルギーの割合は2.8%で、11業種中9番目。
規模的には小さいセクターだね

アフターコロナで業績復活しているエネルギー関連ETFをみていきましょう!

クリーンエネルギーについてのおはなしはこちらです。

日本に上場している原油ETFについては、こちらで紹介しましたので、ぜひご覧ください。

今回の記事の内容

エネルギー株ETFの3銘柄、XLE、VDE、IXCを比較しよう!

今日は、この3銘柄を比較していきましょう

今回登場するエネルギー株ETFはこの3つです
  • エネルギー・セレクト・セクター SPDR® ファンドXLE)
  • バンガード・米国エネルギー・セクターETF(VDE)
  • iシェアーズ グローバル・エネルギー ETF(IXC)

各ETFの概要

ETFの概要を一覧表で確認しましょう。

ティッカーXLEVDEIXC
運用会社ステートストリートバンガードブラックロック
設定日1998.12.222004.9.292001.11.16
総資産260億5300万ドル54億8600万ドル14億8400万ドル
出来高18,856,5331,107,696464,471
分配金3.77%3.55%3.14%
経費率0.12%0.10%0.46%
出典元:Bloomberg Webページ
ティッカー運用会社資産総額経費分配金運用開始
XLEステートストリート154億9831万ドル0.12%5.38%1998.12
VDEバンガード33億3000万ドル 0.10%4.48%2004.9
IXCブラックロック10億2767万ドル0.46%4.70%2001.11
出典:各運用会社のウェブページ

資産総額、流動性はXLEが飛び抜けて大きい

資産総額と出来高は、XLEがかなり大きいね

流動性はXLEが大きいから、ものすごい大きな資産を運用しているのなら、XLEに決まりだね

普通の個人投資家なら、VDEやIXC程度の出来高があれば困ることはありませんよ。

エネルギー株ETFの資産総額が急激に増加中

エネルギー株ETFの資産総額が、急激に増加中です。

この記事の初稿(2021年2月)と比較すると、

XLEとVDEは70%増加、IXCは40%増加しているんです。

経費が安いのはVDEとXLE、IXCは高め

VDEの経費は0.10%。ものすごく安いね

XLEも同じくらい安いけど、IXCだけはちょっと高いね

IXCのリターンが経費に見合うものか、リターンをよく確かめる必要がありますね

株価チャートでリターンを確認しよう!

ではリターンを確認しましょう。

わかりやすいように、S&P500のETF・SPYとの比較で見ていきます。

2021年初来ではS&P500を大きく上回っています

まずは、2021年初来の株価チャートを確認しましょう

青:XLE 赤:VDE 黄:IXC 黒:S&P500(SPY)

エネルギーETFは、好調なS&P500よりもさらに上だね

XLEとVDEは、ほとんど同じように動いてるね。年初来で50%近く上がってるよ

IXCだけ、他のエネルギーよりリターンが低いね。

2020年初来で見ると、コロナショック前高値を回復していない

コロナショックを挟んだ、2020年初来の株価チャートを確認しよう!

青:XLE 赤:VDE 黄:IXC 黒:S&P500(SPY)

2020年初めから見ると、、、
ええ!マイナスリターンなの?

エネルギー株ETFは、まだコロナ前まで戻してないんだね。
これは、上昇する余地がまだ残ってると考えていいね

そうか。まだ上がるかもってことね

コロナショックでの値動きを比較しよう

コロナショックでの落ち込みが、明らかにS&P500より大きいよね

コロナショックでの下落幅と、その後の回復の値動きを見てみよう!

青:XLE 赤:VDE 黄:IXC 黒:S&P500(SPY)

やっぱり下落幅が大きいね!しかも、全然回復してないという

実際に、どんな下落だったのか数値で比較しようか

コロナショックで大きく下落した、エネルギーセクター

S&P500(SPY)の34%下落に対して、
エネルギーETFは60%くらい下落してるね。
ずいぶん大きいなあ

長期(16年間)リターンを確認しよう

長期リターンを確認しましょう。VDEが運用を開始した2005年からの16年余りの株価チャートです。

青:XLE 赤:VDE 黄:IXC 黒:S&P500(SPY)

長期の株価チャートを見ると、エネルギーETF(青、赤、黄)は右肩上がりの上昇って感じじゃないね

そうだね。エネルギーETFは、持ちっぱなしの長期ホールドしても資産は増えなそうだね。流れを見て中短期で投資した方が良さそう

XLEとVDEは似たようなチャートだけど、IXCだけはリターンが低いね

配当込みのトータルリターンも確認しよう

エネルギーETFは配当金もかなり出るんだよね。
配当込みのリターンも知りたいな

それじゃあ、配当込みチャートも確認してみようか

2005年1月から現在までの16年間の、配当込みトータルリターンのチャートはこちらです。

黒:XLE 黄:VDE 青:IXC 緑:S&P500(SPY)

出典元:etfreplay.com

ちょっとは良くなったけど、やっぱりS&P500には敵わないね

チャートも大きく波うってるけど、方向性なく横に動いてるね

構成する銘柄の規模、国に大きな違いがあるんです

米国大型株のみのXLE、米国中小型株を含むVDE、世界の大型株IXC

ETF構成銘柄数
XLE24
VDE97
IXC55
出典元:ETF.com

構成銘柄数は、かなり違うんだね

それぞれのETFは、投資する対象が大きく異なるんだよ

各ETFの投資対象は

XLE

S&P500の中のエネルギーセクター銘柄を集めたETF

VDE

米国全体のエネルギーセクター銘柄を集めたETF

IXC

世界のエネルギーセクター銘柄を集めたETF

わかりやすく言えば、米国の大企業のみのXLE、米国の中小企業も含むVDE、世界の大企業に投資するIXCといったところだね

へー、IXCは世界か。だから値動きが違うんだね

IXCの投資対象は世界中

投資対象の国を確認していきましょう。

XLEとVDEは米国のみ

先程お伝えした通り、XLEとVDEは米国100%ですね。

出典元:ETF.com
出典元:ETF.com

幅広い国に投資するIXC

IXCはどうでしょう。

出典元:ETF.com

日本も入ってる!投資先が幅広いね!

アメリカが50%以上を占めてはいますが、

欧州、南米、豪州、日本まで幅広い国に分散投資しています。

国際分散を重視するなら、IXCしかないですね。

投資しているセクターには大きな違いはありません

次に、どのようなセクターに投資しているのかを確認していきましょう。

XLEは石油・天然ガスに集中投資

XLEの投資先セクターはこちらです。

出典元:ETF.com

ぜんぶ石油と天然ガス関連の事業だね

そうだね。XLEは石油・天然ガスに集中投資しているね

VDEも、ほぼすべて石油・天然ガスが占める

次にVDEのセクターです。

出典元:ETF.com

おお、VDEには「再生可能燃料」とか「石炭」、「鋼」が入ってるね。
石油・天然ガス以外にも分散してるんだ

まあそうなんだけど、比率を見てよ

ありゃ?再生可能とか石炭とか全部合わせても1%いってないね。
なーんだ

IXCも、ほぼすべて石油・天然ガス関連

出典元:ETF.com

IXCもVDEと同じく、ウランや電気にも投資してるけど・・・

合わせて1%にもいってないよね。やっぱりほぼ全て石油・天然ガスなんだね

構成銘柄の上位10銘柄は、ほとんど同じ

構成銘柄の上位10銘柄を比較しましょう。

順位XLE%VDE%IXC%
1エクソンモービル22.22%エクソンモービル22.09%エクソンモービル13.63%
2シェブロン20.39%シェブロン18.07%シェブロン10.74%
3EOGリソーシズ5.26%コノコフィリップス5.53%トタル6.19%
4シュルンベルジェ5.14%EOGリソーシズ3.93%BP4.74%
5コノコフィリップス4.39%マラソンペトロリアム3.34%ロイヤルダッチシェルA4.18%
6マラソンペトロリアム4.34%シュルンベルジェ3.31%コノコフィリップス4.18%
7フィリップス664.19%フィリップス663.26%エンブリッジ4.13%
8キンダーモルガン3.93%キンダーモルガン3.18%ロイヤルダッチシェルB3.61%
9ウィリアム3.56%パイオニアナチュラル2.95%TCエナジー2.66%
10パイオニアナチュラル3.53%バレロエナジー2.79%EOGリソーシズ2.58%
出典元:ETF.com

XLEとVDEは、順位が違うけどメンバーはほとんど同じだね

XLEとVDEの違い

XLEでは9位のウィリアムがVDEにはなくて、代わりに10位のバレロが入ってるところが違いますね。

ただ、ウィリアムはVDEでは11位に、バレロはXLEの11位に入っているので、

11位までで比較すると、両ETFは全く同じメンバーになります。

IXCの上位は、世界のスーパーメジャーが名を連ねてるね。
米国限定のETFとは、全然違うメンバーだね。

スーパーメジャーとは

巨大な資本力と政治力で石油の採掘から販売までの全段階を垂直統合で行い、大きなシェアを持つ巨大企業複合体のこと。

スーパーメジャーに含まれる銘柄は6銘柄

  1. エクソンモービル
  2. ロイヤル・ダッチ・シェル
  3. BP
  4. シェブロン
  5. トタル
  6. コノコフィリップス

分散性に関する項目をまとめます

分散性を比較してみましょう

分散性に関する項目を抜き出すと、このようになります。

XLEVDEIXC
構成銘柄数24銘柄97銘柄55銘柄
投資先米国大型米国全部世界大型
上位10銘柄の割合77.3%68.5%56.7%
上位2銘柄の割合42.6%40.1%24.4%
出典元:Bloomberg

IXCは世界全体に投資していますが、大型株のみです。

そのため、構成銘柄は中小型株を含むVDEが最も多いですね。

上位10銘柄、上位2銘柄の割合をみると、ともにIXCの分散性が他より優れていることを示しています。

分散性に優れているのはIXCですね。ただVDEも中小型を含むという特徴があります

配当金を確認しましょう

10年間の配当履歴は

XLEの10年間の配当状況はこちら

出典元:seekingα

VDEの10年間の配当状況はこちら

出典元:seekingα

IXCの10年間の配当状況はこちら

出典元:seekingα

XLEとIXCは、2019年にすっごい増配した後2020年に減配してるね

その2つに比べると、VDEは安定した配当を出してるね

配当額の推移は、2019年を除けば

XLEとVDEは概ね右肩上がり、IXCは横ばい

という傾向がありそうです。

増配率データを比較しよう

次に、3つのETFの増配率データを比較しましょう

XLEVDEIXC
2020-47.20%-11.29%-66.42%
201998.74%7.75%185.72%
2018-7.37%-10.01%-5.15%
201728.80%18.92%8.85%
2016-16.75%-8.49%-5.74%
20159.94%19.42%-5.88%
201421.78%0.68%4.80%
201317.42%10.03%10.06%
201222.53%23.24%10.80%
20116.46%29.75%22.30%
出典元:seekingα

この10年間で、XLEとVDEは増配7回・減配3回、IXCは増配6回・減配4回です。

連続増配を気にしている様子はないですね。

各年末時点の配当利回りを比較しましょう

各年の年末時点での配当利回りを確認しましょう。

XLEVDEIXC
20205.68%4.81%4.94%
20197.24%3.63%10.15%
20184.07%3.68%4.11%
20173.60%3.28%3.69%
20162.77%2.69%3.58%
20154.26%3.79%4.85%
20143.04%2.44%4.02%
20132.28%2.18%3.39%
20122.45%2.49%3.57%
20112.10%2.09%3.32%

配当利回りって、年によってこんなにちがうんだね

ほんとだね。でも、配当の高い順位は毎年ほとんど同じみたいだよ

配当利回りの高いのは、

ほとんどの年で、配当利回りが高い順に、

IXC > XLE > VDE

となっています。

まとめ

コロナ禍の終わりとともに伸びるエネルギー株

2020年11月にワクチンの開発が報道され、ワクチンの摂取が進んでいます。

経済活動の回復、貿易量の増加とともに、原油価格やエネルギー関連銘柄が大きく伸びています。

コロナ前高値を回復していない

エネルギー株はコロナショックで大きく値を下げ、その後の回復も非常に遅いです。

じつは、2021年6月時点でまだコロナ前高値を回復していません。

これは、まだ上昇する余地があると見るべきでしょう。

エネルギー株は短期投資にとどめるべきと考えます

長期的なチャートを見ると、S&P500やNASDAQ100のような右肩上がりにはなっておらず、

長期でヨコヨコになっている様子です。

一度投資したらがっちりホールドして長期投資ではなく、足元の価格上昇を拾う短期投資にとどめておくのが無難かと思います。

3つのETFの違いは

今回取り上げた3つのETFを比較すると、

  • XLEは米国の大型株が投資対象で、圧倒的に大きな資産規模と流動性をもつ
  • VDEは米国の中小型まで含み、安い経費と分散性が特長
  • IXCは米国以外も含むため、国際分散が効いている。配当が多いが、経費が割高

という特徴があります。

時期によりますが、XLEとVDEはほぼ同じリターン、IXCはややリターンが低いことが多いようです。

しかし、IXCは上位銘柄の占める割合が最も低く、米国以外も含むため分散性はもっとも優れています。

どれを取るかはお好みでいいと思います。

また、どのETFも配当は高めです。

今後上昇トレンドに変わるのであれば、配当と株価上昇が両方狙える美味しい投資になります。

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以上【XLE、VDE、IXC】コロナ禍終了で急騰する原油!注目のエネルギーセクター株ETFを徹底比較という話題でした。

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。

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