こんにちは、せーじんです。
5月の米国消費者物価指数(CPI)は8.26%プラスと先月よりは鈍化したものの依然として高い水準にあります。
上段の棒グラフは前月比CPI,折れ線グラフは同コア指数、下段は前年同月比のCPIです。
確かに、今月は少し下がってるね
これを受けて、今週はパウエルFRB議長から発言があったんだけど、これがまたタカ的だったんだよ
- 明確で納得できる形でのインフレ沈静化を確認するまで取り組みを続けていく
- それが広く理解されている『中立』水準を超えることを必要とするなら、われわれは一切ちゅうちょせずに実行する
- 物価安定は「経済の根幹」だとして数十年ぶりの高インフレを抑制する必要性を重ねて強調した上で、これを達成する過程で生じるであろう失業率の小幅上昇など、多少の痛みは払うに値する代償である
- 5月の0.5ポイント利上げ決定に続き、6月と7月も同幅利上げが議題に上るだろう
- 短期的なインフレ動向が今後の利上げ幅の重要な決定要因になる
- 明確で納得できるインフレ圧力沈静化の証拠が見られない場合、「もっと積極的な動きを検討しなければならないだろう」とコメント。他方で、「それを目にすれば、一段とゆっくりとしたペースに移行することも検討できる」と話した
つまりどういうこと?
超短くまとめると、こんな感じかな
- 今月はCPIが少し下がったけど、一時的なものである可能性があるので利上げを緩めることはしない。
- インフレの沈静化がハッキリするまで、多少の痛みが発生しても利上げを続ける
タカ的な発言が出た、ということは株価の方は・・・
とういうことで、1週間の市場の動きを観察していきましょう。
- 株式市場は、米国は下落、日本・中国は上昇
- 仮想通貨は、ビットコイン、イーサリアムとも下落が止まり停滞
- 債券は、米長期国債が今週も大きく上昇
- コモディティは、エネルギー・貴金属が大きく上昇
- 米国債利回りは長期が下落、短期が停滞、金利差はやや縮小
- 為替は、緩やかな円高
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今週の株式市場を確認しよう!
米国は今週も大きく下落、中国は大きく上昇
それでは、今週の世界の株式市場の値動きを確認しましょう。
指数 | 週単位 | 月単位 | 年初来 | 1年間 |
---|---|---|---|---|
日経平均株価 | 1.18 | -2.95 | -7.13 | -5.58 |
TOPIX | 0.71 | -2.63 | -5.77 | -1.43 |
NYダウ | -2.90 | -10.15 | -13.97 | -8.61 |
S&P500 | -3.05 | -11.20 | -18.14 | -6.12 |
ナスダック総合 | -3.82 | -13.81 | -27.42 | -15.71 |
ラッセル2000 | -1.02 | -10.90 | -20.98 | -19.91 |
ユーロ・ストックス50 | -1.25 | -6.90 | -14.92 | -9.16 |
上海総合指数 | 2.02 | 2.17 | -13.55 | -9.75 |
深セン成分指数 | 2.64 | 3.34 | -22.90 | -20.55 |
香港ハンセン | 4.11 | 0.17 | -11.46 | -27.20 |
今週も米国がすごく下落してるね。でも、中国はかなり上がってるよ
米国の下落も中国の上昇も、最大で4%前後とすごく大きい幅だね
では、1%以上の上昇を見せた指数を確認していきましょう。
- 日経平均
- 上海総合、深圳成分、香港ハンセン
先週は、欧州と中国が大きく上昇しましたが、
今週は、日本と中国の指数が1%以上上昇しました。
中国は2週連続上昇か。
香港ハンセンは4%以上も上がったんだね
日本も、日経平均は大幅上昇で、TOPIXも上がってるんだよ
では、次に1%以上下落した指数を確認していきましょう。
- S&P500、ナスダック総合、ダウ平均、ラッセル2000
- ユーロストックス50
先週は、日本と米国の全指数が大幅マイナスでしたが、
今週は米国と欧州が1%以上マイナスとなりました。
S&P500は2月の底値を割り込むのか?
この1週間のS&P500ETF、SPYの株価チャートを確認していきましょう。
日足チャートで見てみよう
薄青:5日移動平均 青:20日移動平均 オレンジ:60日移動平均 黄:2月の底値ライン
先週は2月の底値ラインを割り込みましたが、
今週は底値ラインを越えることができずに再び下落し始めています。
底値ラインが抵抗線として機能してしまったね
移動平均線を見ると、
- 全ての移動平均線が下向き
- 上から長期、中期、短期の順に並んでいる
ことから、明確な下落トレンドが継続していますね。
今週の株価は、2月につけた大底を下にブレイクアウトし年初来安値を更新しています。
が、出来高に大きな変化はありません。
まだまだ下落の途中の可能性が高いってこと?
まだ落ちるかもね
各セクターの状況を確認
ヒートマップを確認しよう
セクターごとの好不調を、ヒートマップで確認しましょう。
ヒートマップは、市場の動きが一眼でわかっちゃうよ!
ヒートマップの詳しい説明はこちらの記事をご覧ください
ヒートマップの見方
今週1週間のパフォーマンスはこちら
あ、今週は左半分は真っ赤で、右半分は緑だね
そうだね。インバース以外はかなり綺麗に分かれてるね。
これはわかりやすい傾向だね
ヒートマップから読み取れる、
プラス幅の大きかったセクターと、マイナス幅の大きかったセクターを見ていきましょう。
上昇したセクターは、エネルギー・バイオ・貴金属・先進国・新興国など
今週の市場を、よくみていきましょう。
緑色のセクターは非常に少ないですね。
インバースやレバレッジは除いていますよ
- エネルギー
- バイオテクノロジー
- クリーンエネルギー
- ウラン
- 日本、欧州、新興国
- 天然ガス
- 金、金鉱、銀、プラチナ、パラジウム
- 米長期国債
株式は米国以外は緑が多かったね。
コモディティや国債も上昇してるし、米国株一人負けの状態だね
あれ、欧州は大幅マイナスじゃなかったっけ?
先程のリターンの一覧では欧州の株価指数:ユーロストックス50は▲1.25%でした。
これはユーロ建てのリターンです。
一方、このヒートマップでは為替をドル建てで統一しています。
今週はドルに対して2%程度ユーロ安が進んでいるので、
ユーロ建てでマイナス、ドル建てでプラスという結果になっています。
マイナスのセクターは、一般消費財、小売、生活必需品、輸送など
次に、マイナスリターンのセクターを探してみましょう。
マイナスのセクターはすごく多いので、大きなマイナスとなったセクターのみ紹介しますよ
- 一般消費財、小売、住宅建設
- 生活必需品
- 資本財、輸送
- 情報技術、インターネット
生活必需品が大幅マイナスなんて珍しいね
株はバリューからグロースまで幅広く下落してるね。
小売は9%以上、生活必需品は8%以上、すごい下落だね
- グロース -3.85%
- バリュー -2.15%
今週はグロースもバリューも大幅マイナスでしたが、
比較するとバリューの方が小さなマイナスでした。
先週と比較しよう
先週のヒートマップと比較してみましょう。
これが先週のヒートマップです。
続いて、今週のヒートマップをもう一度見てみましょう。
おお、先週よりもかなり緑が増えてるんだね
そうだね。コモディティや米国以外の世界株が伸びてるよ。
米国株も伸びてほしいなあ
米国の金利を見ていきましょう
まずは、米国10年債の金利チャートを確認しましょう。
米10年債の利回りは、徐々に下落しています。
チャートは綺麗なヘッドアンドショルダーを形成し、下落する可能性が非常に高いチャートパターンです。
次に米短期金利(2年国債)も確認しましょう。
短期金利は、2.5〜2.7%付近で停滞していますね。
下落も上昇もしていません。
長短金利差(10年債金利ー2年債金利)を確認しましょう。
長期金利が下落し短期金利が停滞しているので、
長短金利差は縮小傾向にあります。
ところで、金利差が拡大とか縮小するとどうなるんだっけ?
長短金利差の縮小は、主に金融セクターへマイナスの影響を与えます。
これは、銀行をはじめとする金融機関は、長短金利差から収益を上げているからですね
いつもこの通りになるとは限らないけどね
仮想通貨はどうなった?
仮想通貨はどうなったんだろう?
では確認していきましょう
ビットコインは下落とまるも、底値で停滞
まずはビットコインから!
今週のチャートはこちら。
ビットコインは下落が止まったようだね。
3万ドルが抵抗線になってるけど割れたら怖いね
なんか、いかにも「もう一回落ちるぜ!」って感じに見えるね
ここで仕込むのはかなり怖いよね
イーサリアムも下落が止まり停滞中
イーサリアムはどうなったの?
イーサリアムも停滞してるね
為替は緩やかに円高進行中
ドル円の為替レートも確認していきましょう
今週は127円98銭で終わりました
130円に到達してから、円高に変わったね
米国の金利上昇も一服したし、急激な円安は一休みだね
金利と為替が関係あるの?
そうなんだよ。ドルで持てば高い金利がつく、円で持っても金利がほぼゼロだったら、みんなドルで持つでしょ。
すると、みんな円を売ってドルを買うから円安になるんだよ
ところで、円高とか円安になると、どうなるんだっけ?
- 円高になると、
-
日本円からドル建て資産への投資はしやすくなりますが、円換算の資産評価額は減少します。
- 円安になると、
-
円換算資産評価額は増加しますが、円での投資はしにくくなります。
為替と資産の関係については、こちらの記事で解説しました。
まとめ
ということで、5月第3週の世界の市場の動きを見てきました。
今週は、米国の株価が大きく下落した一方、中国や日本は上昇しました。
欧州もユーロ建てでは下落ですが、ドル建てでは上昇しています。
今週の株価下落の原因は、パウエル議長のタカ的な発言にあるでしょう。
- 今月はCPIが少し下がったけど、一時的なものである可能性があるので利上げを緩めることはしない。
- インフレの沈静化がハッキリするまで、多少の痛みが発生しても利上げを続ける
株式市場は
先ほども書いた通り、ドル建てで見ると米国の株価は大きく下落し、日欧中は大きく上昇しました。
セクター別に見ると、
上昇したセクターは、エネルギー、クリーンエネルギー、バイオテクノロジー
下落したのは、一般消費財、小売、生活必需品、輸送など多数でした。
バリュー・グロースとも幅広く売られましたが、グロースの方が大きな下落でした。
その他の市場は
エネルギーは、天然ガスは大きく上昇、原油は小幅に上昇
貴金属は、金・銀・プラチナ・パラジウムともは大きく上昇
農業商品は、穀物が上昇、とうもろこしは下落しています。
債券は、先週に続いて大きく上昇しました。
仮想通貨市場は、ビットコイン、イーサリアムとも下落が止まり横ばいです。
為替は、円高方向に逆回転しています。
世界中に訪れた弱気相場
高いインフレ率と急騰する金利に強い影響を受ける相場が続いています。
さらに、長引くウクライナ戦争とコロナウイルスによる影響で
先を見通すことが非常に難しいというか不可能な状況にあります。
日々さまざまな報道が為され、株価も右往左往している印象です。
暴落しても慌てず、暴騰しても落ち着いていられるようなポートフォリオを組み、
日々の生活を相場に振り回されないようにしましょう。
こういった下落相場は積み立て投資にとって株の安売りセールのようなもんだよ
そう考えれば、積み立て続けられるかも
長期インデックス投資では、日々の株価の上下は無視しよう
長期的に資産形成をするには、信頼できる投資先にしっかりと分散投資して、あとはゆっくりとすること。
長期で見れば、自然に資産は増えていきますよ。
- 信頼できる銘柄(指数)への投資であること
- 適度な分散
- 余力(現金)を残しておく
短期的な上げ下げはありますが、今回紹介している指数は世界の中心的な株式指数です。
こういった指数へ長期で投資するときは、日々の株価は無視しましょう!
目先の上下に惑わされず、しっかりホールドしながら安眠できる、そんな投資を目指したいですね
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CFDの取引時間はほぼ24時間。
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【5月第3週】米国株以外は上昇!?米国株が一人負けなんて・・・という話題でした。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。