こんにちは、せーじんです。
今日は米国の11あるセクターの1つ、ヘルスケアセクターについてお話をしますよ。
ヘルスケアセクターって、健康に関するセクターだよね
そうだね。健康に関する幅広い業種が入っていて、ヘルスケア機器・用品・サービス・テクノロジー、バイオテクノロジー、医薬品、ライフサイエンス・ツール/サービス銘柄で構成してるよ。
薬も入ってるんだね。健康っていっても、いろいろあるんだねえ
コロナのワクチン製造もヘルスケアセクターだよ
ヘルスケアセクターの市場規模を確認しましょう。
こういう時は、S&P500のセクター別構成比を確認するとわかりやすいですよ。
ヘルスケアの割合は13.0%で、11業種中2番目。
情報技術に次ぐ、かなり上位のセクターなんだね
ヘルスケアセクターは高成長と不況への強さを併せ持ったセクター
ヘルスケアセクターは、どんな値動きをするの?
このセクターの特徴は、高成長と不況への強さを併せ持っているということだね
ヘルスケアセクターの提供する製品やサービスは、いずれも健康に関するもの。
健康に興味がない人はいないよね
とくに高齢者や女性は健康に気を使ってるよね。
うちのおじいさんも、健康食品を買いまくってるし
こういった消費は、不景気で多少収入が減少しても節約することは少ないでしょう。
逆に、景気が良く収入が上がったときには積極的に消費される部分ですね。
ヘルスケアは、好景気にも不景気にも強いセクターなんです。
景気の波の影響をあまり受けず、不景気時に強いセクターとしては、生活必需品セクターがあります。
詳しくはこちらで紹介しましたので、ぜひご覧ください。
今回登場するETFは、この2つ
ヘルスケアセクターETFって、どんなのがあるの?
今日登場するのは、この2つのETFだよ
- バンガード 米国ヘルスケア セクターETF (VHT)
- ヘルスケア セレクト セクター SPDR ファンド (XLV)
それでは、一覧表にしてみてみましょう!
ティッカー | XLV | VHT |
運用会社 | ステートストリート | バンガード |
設定日 | 1998.12.22 | 2004.1.30 |
総資産 | 289億3000万ドル | 155億2700万ドル |
出来高 | 18,379,060 | 90,156 |
分配金 | 1.49% | 1.11% |
経費率 | 0.12% | 0.10% |
経費が安いのはVHTだけど、XLVもほとんど同じくらい
VHTの経費は0.10%。ものすごく安いね
さすが安さに定評のあるバンガードだよね。0.10%は安い!
ただし、XLVも経費率が0.12%と非常に安いですから、差はほんの少しだけです。
資産総額、流動性はXLVが圧倒的に大きいですね
資産総額と出来高は、XLVの方がかなり大きいよね。
出来高の差は、なんと200倍!!
機関投資家はXLVを運用しているからね。
流動性はXLVが圧勝だね
機関投資家レベルのすごく大きな資産を運用しているのならXLVがおすすめです。
でも普通の個人投資家なら、VHT程度の出来高があれば困ることはありませんよ。
株価チャートでリターンを確認しよう!
ではリターンを確認しましょう。
わかりやすいように、S&P500のETF・SPYとの比較で見ていきます。
2021年初来ではS&P500を下回っています
まずは、2021年初来の株価チャートを確認しましょう
青:XLV 赤:VHT 黒:S&P500(SPY)
あれ?ヘルスケアセクターは、VHTもXLVもS&P500より下だよ
攻守に強いセクターだけど、常にS&P500より上ってわけじゃないんだね。それでも年初来13%とか15%だから素晴らしい成績だね
VHTとXLVも、差があるんだね
同じセクターのETFなんだけどね。構成銘柄がどう違うのか、あとで確認しよう
2020年初来で見ると、コロナショックでのダメージは大きい
コロナショックを挟んだ、2020年初来の株価チャートを確認しよう!
青:XLV 赤:VHT 黒:S&P500(SPY)
2020年初めから見ても、S&P500よりも下なんだね
コロナショックからの回復は早かったんだけどね。
XLVは2020年11月、VHTは2021年2月以降
S&P500には及んでないね
なんか残念な感じ。2020年初来で見ても、VHTとXLVの値動きは結構違うんだね
コロナショックでの値動きを比較しよう
コロナショックでの落ち込みは、S&P500と同じくらいかなあ
コロナショックでの下落幅と、その後の回復の値動きを見てみよう!
青:XLV 赤:VHT 黒:S&P500(SPY)
VHTもXLVも、S&P500より小さい下落だったんだね
実際に、どんな下落だったのか数値で比較しようか
コロナショックでの下落はS&P500より6ポイント小さい
S&P500(SPY)の34%下落で、VHTとXLVも28〜29%の下落だね。
やっぱり防御力はあるんだね
回復までの速さも、S&P500以上でした
コロナショック前の高値を回復した時期を比較しましょう
暴落前高値回復時期 | |
---|---|
VHT、VLV | 2020年7月上旬 |
S&P500 | 2020年8月中旬 |
暴落前の高値を回復するまで、S&P500より1ヶ月ちょっと早かったんだね
暴落からの立ち直りも素早くて、いい感じ!
リーマンショックはどうだった?
コロナショックのときはヘルスケアが強かったけど、あれは感染症だし、強いのは当たり前じゃない?
ならば、リーマンショックの値動きを見てみよう!
青:XLV 赤:VHT 黒:S&P500(SPY)
VHTもXLVも、下落幅がすっごい小さいね!
S&P500よりも、あきらかに小さい下落だよね
リーマンショックではS&P500よりも16ポイント小さい下落
S&P500(SPY)は55%もの大暴落、VHTとXLVはそれよりかなり小さい39%くらいの下落だね。
おー、すごい防御力!
回復までの速さも、S&P500以上でした
リーマンショック前の高値を回復した時期を比較しましょう
暴落前高値回復時期 | |
---|---|
VHT | 2011年4月下旬 |
XLV | 2012年3月上旬 |
S&P500 | 2013年2月上旬 |
暴落前の高値を回復するまで、S&P500よりもVHTは2年、XLVは1年も早かったんだね
両方ともS&P500よりかなり早いけど、VHTとXLVの間にも1年くらい差があるんだね
長期(17年間)リターンを確認しよう
長期リターンを確認しましょう。VHTが運用を開始した2004年1月からの17年ほどの株価チャートです。
青:XLV 赤:VHT 黒:S&P500(SPY)
長期で見ると、S&P500よりもはるかに上に行ってる!
そうだね。長期的には、市場平均よりもかなり大きな成長をしているセクターだね
VHTとXLVは、かなり前から値動きが違うね
VHTのほうが、かなりパフォーマンスがいいみたいだね。
次はこの2つのETFの構成銘柄を比較していくよ
構成銘柄を比較。銘柄数は違っても、上位陣は同じ顔ぶれ
大型株のみのXLV、中小型株を含むVHT
ETF | 構成銘柄数 |
---|---|
VHT | 65 |
XLV | 503 |
セクターETFは、いつもバンガードの方がよく分散されてるよね
元になる指数が違うからね
XLV
ヘルスケア・セレクト・セクター指数
S&P500の中のヘルスケアセクター銘柄を集めたETF
VHT
MSCI USインベスタブル・マーケット・ヘルスケア・インデックス
米国全体のヘルスケアセクター銘柄を集めたETF
わかりやすく言えば、大企業のみのXLVと、中小企業も含むVHTってこと
構成銘柄の上位10銘柄は、順位は違うが同じ銘柄
大企業のみのXLVと、中小を含むVHT、構成銘柄の上位10銘柄を比較しましょう。
順位 | XLV | % | VHT | % |
---|---|---|---|---|
1 | ジョンソン&ジョンソン | 9.17% | ジョンソン&ジョンソン | 7.76% |
2 | ユナイテッドヘルス | 8.02% | ユナイテッドヘルス | 6.82% |
3 | ファイザー | 4.65% | ファイザー | 3.77% |
4 | アボットラボラトリーズ | 4.37% | アボットラボラトリーズ | 3.61% |
5 | アッヴィ | 4.24% | アッヴィ | 3.49% |
6 | サーモフィッシャー | 4.20% | メルク | 3.35% |
7 | メルク | 4.15% | サーモフィッシャー | 3.23% |
8 | イーライ・リリー | 3.86% | メドトロニックPLC | 2.98% |
9 | ダナハー | 3.62% | ダナハー | 2.86% |
10 | メドトロニックPLC | 3.56% | イーライ・リリー | 2.84% |
10銘柄合計 | 49.85% | 10銘柄合計 | 40.70% |
構成銘柄は、順位が違うだけで全く同じだね!
ほんとだね。違いと言えば、
3つのETFは上位10銘柄は全て共通、ところどころ順位が入れ替わっているだけです
VHTのほうが、よく分散されています
分散性を比較してみましょう
分散性に関する項目を抜き出すと、このようになります。
XLV | VHT | |
---|---|---|
構成銘柄数 | 65銘柄 | 503銘柄 |
上位10銘柄の割合 | 49.85% | 40.70% |
上位2銘柄の割合 | 17.19% | 14.58% |
VHTはXLVの8倍近い銘柄に分散しています。
上位10銘柄の占める割合、上位3銘柄の占める割合を見ても、
VHTの方が低く抑えられており、より分散性が高いことを示してます。
どうしてVHTの方がリターンがいいの?
構成銘柄を見ても、VHTのほうがリターンがいい理由がわからないんだけど
たしかに、上位10銘柄だけを見てもよくわからないよね。VHTとXLVの違いってなんだったっけ?
VHTは中小型株を含むんだよね。XLVは大型株だけ
正解!じゃあ、大型株と中小型株の株価チャートを確認してみようか
2004年1月以降の、大型株(S&P500)と中小型株(ラッセル2000)の株価チャートはこちらです。
黒:S&P500(大型株) 黄:ラッセル2000(中小型株)
あ、ほとんどの期間で中小型株の方が上回ってるね
この中小型株を含んだ方が、リターンが良くなるのは当然だよね
配当金を確認しましょう
VHTの10年間の配当状況はこちら
XLVの10年間の配当状況はこちら
両方とも、だいたい右肩上がりの配当金だね
2019年に大幅増配して、2020年に減配してるところまで同じだね
VHTの詳しいデータはこちら
Year | 配当額 | 年末利回り | 増配率 |
---|---|---|---|
2020 | $2.7135 | 1.22% | -25.02% |
2019 | $3.6192 | 1.92% | 62.91% |
2018 | $2.2216 | 1.44% | 9.83% |
2017 | $2.0227 | 1.38% | 9.69% |
2016 | $1.8440 | 1.56% | 13.90% |
2015 | $1.6190 | 1.32% | 25.99% |
2014 | $1.2850 | 1.12% | 13.12% |
2013 | $1.1360 | 1.25% | -5.18% |
2012 | $1.1980 | 1.88% | 14.20% |
2011 | $1.0490 | 1.95% | 7.15% |
XLVのデータはこちらです。
年 | 配当額 | 年末利回り | 増配率 |
---|---|---|---|
2020 | $1.6895 | 1.50% | -23.42% |
2019 | $2.2062 | 2.22% | 61.95% |
2018 | $1.3623 | 1.65% | 11.94% |
2017 | $1.2170 | 1.57% | 10.05% |
2016 | $1.1058 | 1.73% | 7.01% |
2015 | $1.0334 | 1.58% | 12.16% |
2014 | $0.9214 | 1.50% | 9.13% |
2013 | $0.8443 | 1.72% | 5.20% |
2012 | $0.8025 | 2.31% | 17.89% |
2011 | $0.6807 | 2.30% | 17.86% |
2020年以外はほとんど減配なく、増配率もかなりすごいね
この10年間で配当額は、VHTもXLVも2.5くらいになってるね
配当利回りは1〜2%程度なのですが、毎年大幅に増配しています。
将来の高配当を夢見て、持っておくのもありかも。
まとめ
ヘルスケアセクターとは
ヘルスケア機器・用品・サービス・テクノロジー、バイオテクノロジー、医薬品、ライフサイエンス・ツール/サービス銘柄で構成するセクターです。
医薬品やバイオテクノロジーを含む、健康に関する幅広い業種が入っています。
好景気ではよく伸び、不景気にも強い
長期的にはS&P500を大きく上回るリターン
今後の需要が減ることは考えづらく、期待できるセクター
などの特徴があります。
ただし、2021年のリターンはS&P500を下回っています。
ヘルスケアセクターETF、VHTとXLV
ヘルスケアセクターのETFには、VHTとXLVがあります。
VHTとXLVの違いは、
XLVは大型株のみ、VHTは中小型株も含むこと
この違いにより、リターンに大きな違いが出ています。
これは、
2004年以降長期に渡り、小型株のリターンが大型株を上回っていたことが原因です。
配当金は、高配当ではありませんが毎年大きく増配しています。
配当額は両者とも10年間で2.5倍になっていて、長期で保有すれば高配当株になるかも。
ヘルスケアセクターETFの選び方
最後に、せーじんの考えるヘルスケアセクターETFの選び方を紹介したいと思います。
機関投資家のような大規模な資産を運用しており、非常に高い流動性を重要視している
⇨資産総額と出来高が圧倒的に高いXLVがおすすめ
上記に当てはまらない、一般的な個人投資家
⇨わずかだが経費が安く、分散が効いていてリターンも優れているVHTがおすすめ
\ 口座開設無料 /
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4月から、S&P500のETF、レバレッジ投資信託、CFDのリターン比較実験をしています。こちらも毎月経過を報告していますので、ぜひご覧ください。
以上【VHT・XLV】ヘルスケアセクターETFは本当に高成長、高防御力?という話題でした。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。