こんにちは、せーじんです。
今日は、エネルギー関連の銘柄に投資するETFについてのお話です。
今話題のクリーンエネルギーじゃなくて?
じゃなくて、原油とかガスとかのお話だよ。
世界中で新型コロナウイルスのワクチン接種が進み、経済の回復が進んでいます。
貿易量が急回復しており、これに伴って海運とエネルギーの需要が非常に高まっています。
てことは、エネルギー株が上がってるの?
直近半年間のセクター別リターンを見てよ
うわ!エネルギーがリターントップ!?
エネルギーセクターの市場規模を確認しましょう。
こういう時は、S&P500のセクター別構成比を確認するとわかりやすいですよ。
エネルギーの割合は2.8%で、11業種中9番目。
規模的には小さいセクターだね
アフターコロナで業績復活しているエネルギー関連ETFをみていきましょう!
クリーンエネルギーについてのおはなしはこちらです。
日本に上場している原油ETFについては、こちらで紹介しましたので、ぜひご覧ください。
エネルギー株ETFの3銘柄、XLE、VDE、IXCを比較しよう!
今日は、この3銘柄を比較していきましょう
- エネルギー・セレクト・セクター SPDR® ファンド(XLE)
- バンガード・米国エネルギー・セクターETF(VDE)
- iシェアーズ グローバル・エネルギー ETF(IXC)
各ETFの概要
ETFの概要を一覧表で確認しましょう。
ティッカー | XLE | VDE | IXC |
運用会社 | ステートストリート | バンガード | ブラックロック |
設定日 | 1998.12.22 | 2004.9.29 | 2001.11.16 |
総資産 | 260億5300万ドル | 54億8600万ドル | 14億8400万ドル |
出来高 | 18,856,533 | 1,107,696 | 464,471 |
分配金 | 3.77% | 3.55% | 3.14% |
経費率 | 0.12% | 0.10% | 0.46% |
ティッカー | 運用会社 | 資産総額 | 経費 | 分配金 | 運用開始 |
XLE | ステートストリート | 154億9831万ドル | 0.12% | 5.38% | 1998.12 |
VDE | バンガード | 33億3000万ドル | 0.10% | 4.48% | 2004.9 |
IXC | ブラックロック | 10億2767万ドル | 0.46% | 4.70% | 2001.11 |
資産総額、流動性はXLEが飛び抜けて大きい
資産総額と出来高は、XLEがかなり大きいね
流動性はXLEが大きいから、ものすごい大きな資産を運用しているのなら、XLEに決まりだね
普通の個人投資家なら、VDEやIXC程度の出来高があれば困ることはありませんよ。
エネルギー株ETFの資産総額が、急激に増加中です。
この記事の初稿(2021年2月)と比較すると、
XLEとVDEは70%増加、IXCは40%増加しているんです。
経費が安いのはVDEとXLE、IXCは高め
VDEの経費は0.10%。ものすごく安いね
XLEも同じくらい安いけど、IXCだけはちょっと高いね
IXCのリターンが経費に見合うものか、リターンをよく確かめる必要がありますね
株価チャートでリターンを確認しよう!
ではリターンを確認しましょう。
わかりやすいように、S&P500のETF・SPYとの比較で見ていきます。
2021年初来ではS&P500を大きく上回っています
まずは、2021年初来の株価チャートを確認しましょう
青:XLE 赤:VDE 黄:IXC 黒:S&P500(SPY)
エネルギーETFは、好調なS&P500よりもさらに上だね
XLEとVDEは、ほとんど同じように動いてるね。年初来で50%近く上がってるよ
IXCだけ、他のエネルギーよりリターンが低いね。
2020年初来で見ると、コロナショック前高値を回復していない
コロナショックを挟んだ、2020年初来の株価チャートを確認しよう!
青:XLE 赤:VDE 黄:IXC 黒:S&P500(SPY)
2020年初めから見ると、、、
ええ!マイナスリターンなの?
エネルギー株ETFは、まだコロナ前まで戻してないんだね。
これは、上昇する余地がまだ残ってると考えていいね
そうか。まだ上がるかもってことね
コロナショックでの値動きを比較しよう
コロナショックでの落ち込みが、明らかにS&P500より大きいよね
コロナショックでの下落幅と、その後の回復の値動きを見てみよう!
青:XLE 赤:VDE 黄:IXC 黒:S&P500(SPY)
やっぱり下落幅が大きいね!しかも、全然回復してないという
実際に、どんな下落だったのか数値で比較しようか
コロナショックで大きく下落した、エネルギーセクター
S&P500(SPY)の34%下落に対して、
エネルギーETFは60%くらい下落してるね。
ずいぶん大きいなあ
長期(16年間)リターンを確認しよう
長期リターンを確認しましょう。VDEが運用を開始した2005年からの16年余りの株価チャートです。
青:XLE 赤:VDE 黄:IXC 黒:S&P500(SPY)
長期の株価チャートを見ると、エネルギーETF(青、赤、黄)は右肩上がりの上昇って感じじゃないね
そうだね。エネルギーETFは、持ちっぱなしの長期ホールドしても資産は増えなそうだね。流れを見て中短期で投資した方が良さそう
XLEとVDEは似たようなチャートだけど、IXCだけはリターンが低いね
配当込みのトータルリターンも確認しよう
エネルギーETFは配当金もかなり出るんだよね。
配当込みのリターンも知りたいな
それじゃあ、配当込みチャートも確認してみようか
2005年1月から現在までの16年間の、配当込みトータルリターンのチャートはこちらです。
黒:XLE 黄:VDE 青:IXC 緑:S&P500(SPY)
ちょっとは良くなったけど、やっぱりS&P500には敵わないね
チャートも大きく波うってるけど、方向性なく横に動いてるね
構成する銘柄の規模、国に大きな違いがあるんです
米国大型株のみのXLE、米国中小型株を含むVDE、世界の大型株IXC
ETF | 構成銘柄数 |
---|---|
XLE | 24 |
VDE | 97 |
IXC | 55 |
構成銘柄数は、かなり違うんだね
それぞれのETFは、投資する対象が大きく異なるんだよ
XLE
S&P500の中のエネルギーセクター銘柄を集めたETF
VDE
米国全体のエネルギーセクター銘柄を集めたETF
IXC
世界のエネルギーセクター銘柄を集めたETF
わかりやすく言えば、米国の大企業のみのXLE、米国の中小企業も含むVDE、世界の大企業に投資するIXCといったところだね
へー、IXCは世界か。だから値動きが違うんだね
IXCの投資対象は世界中
投資対象の国を確認していきましょう。
XLEとVDEは米国のみ
先程お伝えした通り、XLEとVDEは米国100%ですね。
幅広い国に投資するIXC
IXCはどうでしょう。
日本も入ってる!投資先が幅広いね!
アメリカが50%以上を占めてはいますが、
欧州、南米、豪州、日本まで幅広い国に分散投資しています。
国際分散を重視するなら、IXCしかないですね。
投資しているセクターには大きな違いはありません
次に、どのようなセクターに投資しているのかを確認していきましょう。
XLEは石油・天然ガスに集中投資
XLEの投資先セクターはこちらです。
ぜんぶ石油と天然ガス関連の事業だね
そうだね。XLEは石油・天然ガスに集中投資しているね
VDEも、ほぼすべて石油・天然ガスが占める
次にVDEのセクターです。
おお、VDEには「再生可能燃料」とか「石炭」、「鋼」が入ってるね。
石油・天然ガス以外にも分散してるんだ
まあそうなんだけど、比率を見てよ
ありゃ?再生可能とか石炭とか全部合わせても1%いってないね。
なーんだ
IXCも、ほぼすべて石油・天然ガス関連
IXCもVDEと同じく、ウランや電気にも投資してるけど・・・
合わせて1%にもいってないよね。やっぱりほぼ全て石油・天然ガスなんだね
構成銘柄の上位10銘柄は、ほとんど同じ
構成銘柄の上位10銘柄を比較しましょう。
順位 | XLE | % | VDE | % | IXC | % |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | エクソンモービル | 22.22% | エクソンモービル | 22.09% | エクソンモービル | 13.63% |
2 | シェブロン | 20.39% | シェブロン | 18.07% | シェブロン | 10.74% |
3 | EOGリソーシズ | 5.26% | コノコフィリップス | 5.53% | トタル | 6.19% |
4 | シュルンベルジェ | 5.14% | EOGリソーシズ | 3.93% | BP | 4.74% |
5 | コノコフィリップス | 4.39% | マラソンペトロリアム | 3.34% | ロイヤルダッチシェルA | 4.18% |
6 | マラソンペトロリアム | 4.34% | シュルンベルジェ | 3.31% | コノコフィリップス | 4.18% |
7 | フィリップス66 | 4.19% | フィリップス66 | 3.26% | エンブリッジ | 4.13% |
8 | キンダーモルガン | 3.93% | キンダーモルガン | 3.18% | ロイヤルダッチシェルB | 3.61% |
9 | ウィリアム | 3.56% | パイオニアナチュラル | 2.95% | TCエナジー | 2.66% |
10 | パイオニアナチュラル | 3.53% | バレロエナジー | 2.79% | EOGリソーシズ | 2.58% |
XLEとVDEは、順位が違うけどメンバーはほとんど同じだね
XLEでは9位のウィリアムがVDEにはなくて、代わりに10位のバレロが入ってるところが違いますね。
ただ、ウィリアムはVDEでは11位に、バレロはXLEの11位に入っているので、
11位までで比較すると、両ETFは全く同じメンバーになります。
IXCの上位は、世界のスーパーメジャーが名を連ねてるね。
米国限定のETFとは、全然違うメンバーだね。
巨大な資本力と政治力で石油の採掘から販売までの全段階を垂直統合で行い、大きなシェアを持つ巨大企業複合体のこと。
スーパーメジャーに含まれる銘柄は6銘柄
- エクソンモービル
- ロイヤル・ダッチ・シェル
- BP
- シェブロン
- トタル
- コノコフィリップス
分散性に関する項目をまとめます
分散性を比較してみましょう
分散性に関する項目を抜き出すと、このようになります。
XLE | VDE | IXC | |
---|---|---|---|
構成銘柄数 | 24銘柄 | 97銘柄 | 55銘柄 |
投資先 | 米国大型 | 米国全部 | 世界大型 |
上位10銘柄の割合 | 77.3% | 68.5% | 56.7% |
上位2銘柄の割合 | 42.6% | 40.1% | 24.4% |
IXCは世界全体に投資していますが、大型株のみです。
そのため、構成銘柄は中小型株を含むVDEが最も多いですね。
上位10銘柄、上位2銘柄の割合をみると、ともにIXCの分散性が他より優れていることを示しています。
分散性に優れているのはIXCですね。ただVDEも中小型を含むという特徴があります
配当金を確認しましょう
10年間の配当履歴は
XLEの10年間の配当状況はこちら
VDEの10年間の配当状況はこちら
IXCの10年間の配当状況はこちら
XLEとIXCは、2019年にすっごい増配した後2020年に減配してるね
その2つに比べると、VDEは安定した配当を出してるね
配当額の推移は、2019年を除けば
という傾向がありそうです。
増配率データを比較しよう
次に、3つのETFの増配率データを比較しましょう
年 | XLE | VDE | IXC |
---|---|---|---|
2020 | -47.20% | -11.29% | -66.42% |
2019 | 98.74% | 7.75% | 185.72% |
2018 | -7.37% | -10.01% | -5.15% |
2017 | 28.80% | 18.92% | 8.85% |
2016 | -16.75% | -8.49% | -5.74% |
2015 | 9.94% | 19.42% | -5.88% |
2014 | 21.78% | 0.68% | 4.80% |
2013 | 17.42% | 10.03% | 10.06% |
2012 | 22.53% | 23.24% | 10.80% |
2011 | 6.46% | 29.75% | 22.30% |
この10年間で、XLEとVDEは増配7回・減配3回、IXCは増配6回・減配4回です。
連続増配を気にしている様子はないですね。
各年末時点の配当利回りを比較しましょう
各年の年末時点での配当利回りを確認しましょう。
年 | XLE | VDE | IXC |
---|---|---|---|
2020 | 5.68% | 4.81% | 4.94% |
2019 | 7.24% | 3.63% | 10.15% |
2018 | 4.07% | 3.68% | 4.11% |
2017 | 3.60% | 3.28% | 3.69% |
2016 | 2.77% | 2.69% | 3.58% |
2015 | 4.26% | 3.79% | 4.85% |
2014 | 3.04% | 2.44% | 4.02% |
2013 | 2.28% | 2.18% | 3.39% |
2012 | 2.45% | 2.49% | 3.57% |
2011 | 2.10% | 2.09% | 3.32% |
配当利回りって、年によってこんなにちがうんだね
ほんとだね。でも、配当の高い順位は毎年ほとんど同じみたいだよ
ほとんどの年で、配当利回りが高い順に、
IXC > XLE > VDE
となっています。
まとめ
コロナ禍の終わりとともに伸びるエネルギー株
2020年11月にワクチンの開発が報道され、ワクチンの摂取が進んでいます。
経済活動の回復、貿易量の増加とともに、原油価格やエネルギー関連銘柄が大きく伸びています。
コロナ前高値を回復していない
エネルギー株はコロナショックで大きく値を下げ、その後の回復も非常に遅いです。
じつは、2021年6月時点でまだコロナ前高値を回復していません。
これは、まだ上昇する余地があると見るべきでしょう。
エネルギー株は短期投資にとどめるべきと考えます
長期的なチャートを見ると、S&P500やNASDAQ100のような右肩上がりにはなっておらず、
長期でヨコヨコになっている様子です。
一度投資したらがっちりホールドして長期投資ではなく、足元の価格上昇を拾う短期投資にとどめておくのが無難かと思います。
3つのETFの違いは
今回取り上げた3つのETFを比較すると、
- XLEは米国の大型株が投資対象で、圧倒的に大きな資産規模と流動性をもつ
- VDEは米国の中小型まで含み、安い経費と分散性が特長
- IXCは米国以外も含むため、国際分散が効いている。配当が多いが、経費が割高
という特徴があります。
時期によりますが、XLEとVDEはほぼ同じリターン、IXCはややリターンが低いことが多いようです。
しかし、IXCは上位銘柄の占める割合が最も低く、米国以外も含むため分散性はもっとも優れています。
どれを取るかはお好みでいいと思います。
また、どのETFも配当は高めです。
今後上昇トレンドに変わるのであれば、配当と株価上昇が両方狙える美味しい投資になります。
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以上【XLE、VDE、IXC】コロナ禍終了で急騰する原油!注目のエネルギーセクター株ETFを徹底比較という話題でした。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。