こんにちは、せーじんです。
分散投資が大切って、よく言いますよね。
投資には
「卵は一つのかごに盛るな」
という格言もあります。
卵を一つのかごに入れておくと、かごを落とした時にすべて割れてしまう。
複数のかごに分けて入れておけば、すべて割れることはないから、投資も分散しましょうね。
という意味です。
でも、こう思いませんでした?
複数のかごを同時に落とすこともあるよね
全部のカゴを片手で持っていれば、そういうことはよくあるよね
自分ではきちんと分散投資しているつもりでも、正しく分散していなければすべての卵が割れるんです
カゴを分散した上で、そのカゴを右手と左手に持ったり、家に置いて置いたりそういった正しい分散が必要ってこと
えー!じゃあどうすればいいの?
今日は、正しい分散投資の方法と、分散先の調査をしていきましょう。
正しい分散投資とは、相関関係の低い銘柄を組み合わせること
いきなり答えを言っちゃいます。
…ほう
これは、ピンときてないな
相関関係とは、連動性と言うこともできます。
そうかん‐かんけい〔サウクワンクワンケイ〕【相関関係】 の解説
二つのものが密接にかかわり合い、一方が変化すれば他方も変化するような関係。
出典:goo国語辞書
いくら投資先を増やしても、同じ値動きをするものばかりじゃ分散の意味がないよね
相関関係の調べ方
相関関係を調べてみましょう。
いつもみたいに複数のチャートを表示して、目で見ればいいんじゃない?
それでも、なんとなくはわかるんだけど、もっとわかりやすい方法があるんだよ。
「相関係数」というインジケーターを使ってみましょう
相関係数という係数を使用すると、過去のさまざまな時点での相関関係がぱっと見でわかります。
すっごく便利だよ!
せーじんが使っている「Trading view」というサイトでの、相関係数の表示方法を紹介しましょう。
「Trading view」では、簡単3ステップですぐに表示できます。
サンプルとして、S&P500とNASDAQ100の相関係数を見てみましょう。
画面が2分割されていて、上が株価のチャート、下が相関係数です。
相関係数の見方
- 相関係数は、 -1.0 ~ 1.0 で表示します
- 数字が大きいほど相関関係が大きい
- 1.0は相関関係100%、0は相関関係なし、-1.0は逆に値動きすることを示しています
S&P500とNASDAQ100の相関関係はどう?
赤がずっと1.0に近いから、相関関係がすごく高いんだね。
そうそう。だから、S&P500とNASDAQ100に分散していても、リスクヘッジにはならないということになるね。
それでは、この相関係数を使ってS&P500と相関関係の小さい投資先を探していきましょう。
暴落時の相関関係が最も大切なので、コロナショックのあった2020年初来で見てみます。
まずは、ヘッジ先の定番である債券を見てましょう
総合債券AGGは逆相関と相関が交互に
債券ETFとしてメジャーなAGGとS&P500の相関係数を調べましょう。
AGGは、短期中期長期国債や社債、モーゲージ証券などがミックスされた総合債券です。
黒:総合債券(AGG) 赤:S&P500
相関係数が1に近い時期もあれば、-1に近い時期もあります。
これは、ほぼ相関性がないと見ていいでしょう
「相関性がない」っていうのは、株価が連動するとも逆に動くとも言えないってことね
コロナショック真っ只中の暴落時に、逆相関しているのはうれしいね
短期米国債(SHV)は逆相関だが値動きがほとんどない
次は、総合債券の中身の1つである短期米国債とS&P500の相関係数を確認しましょう。
青:短期米国債(SHV) 赤:S&P500
わお!綺麗な逆相関だね!
相関係数だけを見るとそうなんだけどね
短期国債のSHVは、ほぼ値動きがありません。
まるで現金のようです。
これは安全資産だね
そう、米国人にとってはね
非常に安定していて、現金のような安心感と1%程度の配当が得られる短期国債ですが、これはあくまでドル建ての話。
日本に住む日本人がSHVに投資する場合、円建てが気になりますね。
たしかに短期国債は安全資産と言われますが、日本から投資する場合為替リスクが残ることは意識しましょう。
長期米国債(TLT)も逆相関性が強い
短期国債は逆相関が強かったけど、長期国債はどうなんだろう
青:長期米国債(TLT) 赤:S&P500
長期国債は先ほどの短期国債よりも値動きしますね。
しっかりと逆相関しているところも◎です。
社債(LQD)は株価との相関性が強い
次は、国ではなく会社が発行する債券である、社債を見てみましょう。
青:社債(LQD) 赤:S&P500
社債とは企業が発行する債券です。
企業が発行するものなので、どうしても景気によってリスクが変動するため、ある程度株価と連動してしまいますね。
ヘッジ先としてはあまりよくないでしょう。
やはり、債券(国債)はしっかりと逆相関しています。
定番というのも納得ですね。
ヘッジ先として投資するのなら、社債の入っていないものを選ぶのがよいでしょう。
金にはある程度の逆相関性あり
青:金(GLD) 赤:S&P500
金も、債券程ではありませんが、ある程度逆相関しています。
「有事の金」
という格言は、今も生きていますね。
せーじんも、ヘッジ先として金EのTFを所有しています。
銀は意外にも株価と相関している
続いて、銀を見てみましょう。
銀も、金と同じような動きをしているか、と思いきや
青:銀(SLV) 赤:S&P500
銀は、株価との連動が強めに出ています。
へー、どうしてだろう?
銀は工業製品などに使われることも多いよね。
貴金属としての側面だけでなく原材料としての側面があるからだね。
仮想通貨ビットコインも相関性が強めです
では、仮想通貨のビットコインはどうでしょうか。
チャートを見てみましょう。
青:ビットコイン 赤:S&P500
ビットコインは、逆に動くこともありますが、大体株価との相関関係があるようです。
ビットコインをはじめとする仮想通貨は、投資先としては面白いと思いますが
ヘッジとして持つものではないかもしれませんね。
リートはどうでしょう
次に、不動産へ投資する「リート」を確認していきましょう。
日本リート(J-リート)
日本の不動産に投資する、「J-リート」をみていきましょう。
青:J -リート(1343) 赤:S&P500
米国の株価指数と日本の不動産指数、国もジャンルも違いますが、かなり強い相関関係にありますね。
株式のヘッジとしては適していないでしょう。
J-リートは、コロナショック前の高値をようやく回復したところです。
この出遅れ回復は狙い目でしたね。せーじんも20%ほど値上がりを取れました
米国リート
青:米国リート(IYR) 赤:S&P500
日本のリートでも相関が高いんですから、米国のリートならなおさらですね。
ヘッジには使えません。
原油も株価との連動性高し
次は原油です。
こちらはUSOというETFで確認していきましょう。
青:原油(USO) 赤:S&P500
これも、一時的に相関係数がマイナスにはなりますが、全体的には株価との連動は高いですね。
全世界株はS&P500との相関が強すぎ。分散の意味なし
全世界投資のETFであるVTとの相関係数です。
青:全世界株(VT) 赤:S&P500
同じか!
というほど強く相関しています。
全世界株をヘッジ先として保有する意味はありません。
新興国株も、S&P500と強い相関関係にある
新興国株はどうでしょう。VWOというETFを使って調べてみましょう。
青:新興国株(VWO) 赤:S&P500
新興国株は2021年6月まではかなり強い相関関係でしたが、7月以降は逆相関となっています。
へー、どうしてだろう?
これは新興国株は中国が大きな割合を占めており、その中国株が暴落しているからですね。
米国市場の株式
全世界や新興国株が割と連動しているんだから、米国の指数も連動してると思うけどね
ダウ平均はかなり強い相関関係
青:ダウ平均 赤:S&P500
一時的に大きく下がっていますが、年間に渡ってほぼ100%の相関関係です。
これはリスクヘッジにはなりませんね。
ナスダック100も、強く相関しています
青:NASDAQ100 赤:S&P500
ダウ平均よりは相関関係が低いですが、こちらもほとんどの期間で相関関係が非常に高いです。
ラッセル2000も、相関関係は強いですね
青:ラッセル2000 赤:S&P500
米国の小型株指数、ラッセル2000です。
ダウやナスダックよりは相関関係が低い期間もありますが、ほとんどの期間で強い相関関係があるようです。
日本市場
日本株がヘッジになればいいね。投資しやすいし
じゃあ、日経平均とTOPIXを見てみようか
日経平均は逆相関の時期もわずかにあります
青:日経平均 赤:S&P500
日経平均を見てみると、逆相関している期間もありますね。
しかし、ほぼ相関しているといってもいいでしょう
特に2月~3月の暴落時は相関係数がほぼ1になっていますね。
TOPIXも、相関性がやや弱め
青:TOPIX 赤:S&P500
TOPIXとの相関係数は、日経平均よりさらに低いですね。
相関係数がマイナスの期間も増えています。
が、こちらも肝心の暴落時は相関係数がほぼ1になっていますね。
マザーズも株にしては相関性弱め
日本の小型株、マザーズと比較してみましょう。
日経平均やTOPIXよりも相関関係が低いようですね。
でもやっぱり暴落時は、相関係数が1近くなっているようです。
中国
CXSEは相関関係強め
中国株投資といってもいろいろあるのですが、以前紹介したCXSEという高リターンETFを使います。
思った以上に相関していました。7月以降は逆相関になっていますけどね
CSI300は暴落時に逆相関した
それでは、もう一つCSI300という中国の株価指数を見てみましょう。
こちらも相関性はさほど低くない、と思うかもしれませんが、暴落時に相関係数が低くなっています。
暴落時に逆相関するというのが重要ですよ!
これはヘッジ先として検討してもいいかもしれません。
欧州は相関性強め、コロナからの立ち直りも遅い
欧州全体の株価を示す、ユーロストックス50を見てみましょう。
相関係数は高めですね。
リターンもS&P500に大きく劣後しており、良くないです。
まとめ
長々と続けてしまい、すいませんでした。
分散投資は、ただ投資先を増やすだけではリスクが減らず分散する意味がありません。
相関関係の小さい投資先へ投資することで、リスク軽減につながります。
相関係数をつかって、S&P500と相関性の低い投資先を
- 国債、社債
- 金、銀
- ビットコイン
- 日米リート
- 原油
- 全世界株
- 新興国株
- 日米欧中株
など幅広い分野から探しました。
S&P500と相関関係が低いのは、定番ですが国債と金。
日本の小型株マザーズや中国の株価指数CSI300も面白そうです。
逆に全世界株式やダウ平均などは相関性が非常に強く、分散の効果は期待できません。
せーじんのポートフォリオ
せーじんの資産状況と取引履歴はこちらの記事で解説しています。
CFDのリターン比較実験!
4月から、S&P500のETF、レバレッジ投資信託、CFDのリターン比較実験をしています。毎月最新の状況を報告しています!
以上、その分散投資、意味ありませんよ!暴落に負けない最強の分散先を探せ!という話題でした。
本日も最後までご覧いただきありがとうございました。
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