こんにちは、せーじんです。
先週パフォーマンスの良かったのは、不動産セクターだったよね
そうだね。この記事で、そういうふうに紹介したね。
米国の不動産セクターに投資するには、どうしたらいいの?
やっぱり、ETFから始めるのがオススメだよ。米国の不動産会社なんて知らないでしょ?
ということで、今回は不動産セクターと、それに投資するETFのご紹介です。
不動産セクターの特徴とは
不動産は景気敏感セクター
不動産セクターの特徴は、景気に敏感なことです
- 景気が良いときは、株価がよく伸び
- 景気が停滞しているときは、株価も伸びない
ということですね。
個人にとっても法人にとっても、不動産はとても大きな投資です。
景気が悪く将来の見通しが立たないときに、大きな投資はしづらいですよね。
不動産はインフレが大好物
不動産は、物価上昇(インフレ)に強いセクターと言われています。
物価上昇が発生すれば、不動産価格が高騰します。
不動産の建設には数ヶ月〜数年かかりますから、
土地取得、資材調達の時点から、竣工後販売するまでに物価が上昇していれば、
物価上昇分は不動産事業者の利益になりますね。
不動産を買うときは借入する→金利が低いことが強いメリット
家や土地を買う時って、どうやってお金を準備する?
そりゃあ、住宅ローンを借りて買うよね
個人でも法人でも、不動産を購入するときは住宅ローンなどの借入によって資金を調達するのが一般的です。
そこで重要になるのが、金利です。
金利が高いときはお金を借りづらいので、不動産が売れづらくなります。
逆に、金利が低ければどんどん借りて、不動産取得を進めるという人も増えてくるでしょう。
今回登場するETFは、IYR ,XLRE,RWR
日本の大手証券会社で買える米国の不動産セクターETFは、この3銘柄ですね。
- iシェアーズ米国不動産ETF(IYR)
- 不動産セレクト・セクターSPDRファンド(XLRE)
- SPDR ダウ・ジョーンズ REIT ETF(RWR)
それでは、一覧表にしてみてみましょう!
ティッカー | IYR | XLRE | RWR |
運用会社 | ブラックロック | ステートストリート | ステートストリート |
設定日 | 2000.6.19 | 2015.10.8 | 2001.4.27 |
運用資産 | 47億7000万ドル | 25億4000万ドル | 15億2000万ドル |
平均出来高 | 5億6107万ドル | 1億7892万ドル | 1010万ドル |
分配金 | 2.22% | 3.85% | 4.21% |
経費率 | 0.42% | 0.12% | 0.25% |
運用資産、流動性はIYRが最も大きいですね
運用資産とか、出来高はIYRがダントツだね
そうだね。他の2銘柄とはすごく差があるね。
ものすごく大きな資産をやり取りする人や機関投資家などはIYRが良さそう
個人投資家レベルであれば、XLREやRWR程度の出来高があれば困ることはありませんよ。
分配金もかなり違いますね
分配金の率も、結構違うもんなんだね
IYRの2.22%も悪くはないけど、RWRの4.21%と比べると寂しいよね
分配金にも大きな違いがあります。IYRは他の2銘柄よりかなり少ないですね。
経費にも大きな違いが!最も安いXLREと最も高いIYRは4倍ちかい差
経費は、結構違うんだね。
XLREは0.12%なのに、RWRは2倍以上の0.25%、IYRは4倍近い0.45%だよ。
0.12%は破格の安さだね。
XLREと比較して、RWRは2倍以上、IYRは4倍近い経費です
リターンを確認しよう!
ではリターンを確認しましょう。
わかりやすいように、S&P500のETF・SPYとの比較で見ていきます。
2021年初来では、S&P500を上回る不動産セクター
まずは、2021年初来のチャートを確認しましょう
不動産株は、S&P500よりも上に行ってるね
同じ不動産ETFだけど、RWRは他の2つとはかなり違う値動きをしているね。
XLREとIYRはほとんど変わらないみたい。
2020年初来で見ると、コロナ前高値を超えたばかり!
コロナショックを挟んだ、2020年初来チャートを確認しよう!
2020年年初来で見ると、不動産ETFはS&P500よりもかなり出遅れてるね
コロナショックでの落ち込みも、S&P500より大きそうだね
コロナショックでの最大ドローダウンを比較しましょう。
S&P500(SPY)が33.7%の下落だったのに対し、
不動産ETFは、それを大きく上回る40%前後の落ち込みとなっています。
不動産は景気敏感株だから、こういう下落には弱いんだね
不動産株は、2021年に入って大きく上昇していますが、
まだコロナ前の高値には回復してないですね
こう言った値動きは、銀行株やバリュー株と似ていますね。
こちらの記事で詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください。
長期(5年間)リターンを確認しよう
5年間の長期リターンを確認しましょう
長期で見ると、不動産はあまり伸びていないね
株価が絶好調だった2017年や、2018年は横ばい。
2019年に上昇したと思ったら、2020年にコロナショックで下落
なかなか上に抜けないね。
IYRとXLREのリターンは同じくらい、RXRは違う値動きをします
3つの期間でリターンを比較しました。
- IYRとXLREは、ほぼ同じ値動きをします
- RXRだけは、相関性はありますが、やや異なる値動きをしています
この値動きの違いを探るため、構成銘柄を確認していきましょう。
構成銘柄を比較。銘柄数は違っても、上位陣は同じ顔ぶれ
構成銘柄の数
ETF | 構成銘柄数 |
IYR | 84 |
XLRE | 30 |
RWR | 115 |
構成銘柄の数は、かなり差があるんだね
値動きがほぼ同じXLREとIYRにも、かなり開きがあるんだね
構成銘柄上位10銘柄
それぞれのETFの構成銘柄の上位10銘柄です。
IYR | XLRE | RWR | ||||
1 | アメリカンタワー | 8.58 | アメリカンタワー | 12.85 | プロロジス | 9.24 |
2 | プロロジス | 6.38 | プロロジス | 9.44 | デジタルリアルティ | 4.75 |
3 | クラウンキャッスルインターナショナル | 6.04 | クラウンキャッスルインターナショナル | 9.03 | パブリックストレージ | 4.41 |
4 | エクイニクス | 4.58 | エクイニクス | 7.34 | サイモンプロパティグループ | 4.37 |
5 | デジタルリアルティ | 3.26 | デジタルリアルティ | 4.86 | ウェルタワー | 3.5 |
6 | サイモンプロパティグループ | 3.06 | パブリックストレージ | 4.51 | アバロンベイコミュニティーズ | 3.06 |
7 | パブリックストレージ | 3.02 | サイモンプロパティグループ | 4.47 | エクイティレジデンシャル | 2.9 |
8 | コスターグループ | 2.61 | SBA コミュニケーションズ | 3.68 | リアルティインカム | 2.81 |
9 | SBA コミュニケーションズ | 2.51 | ウェルタワー | 3.58 | アレクサンドリア不動産エクイティ | 2.52 |
10 | ウェルタワー | 2.49 | ウェアハウザーカンパニー | 3.15 | ベンタス | 2.37 |
トップ10の合計42.54% | トップ10の合計62.91% | トップ10の合計39.93% |
3つのETFの構成銘柄を比較するとこうなりますね
IYRとXLREは、10銘柄中8銘柄が同じ銘柄。順位もほぼ同じ。
RWRと他の2ETFの共通銘柄は、4銘柄(プロロジス、デジタルリアルティ、サイモンプロパティ、ウェルタワー)
トップ10の合計では、RWRとIYRはほぼ同じ程度。
IYR,XLREでは構成比1位のアメリカンタワーが、RWRには入っていない
同じくIYR,XLREで構成比上位のエクイニクス、SBAコミュニケーションズが、RWRには入っていない
トップ10の合計は、XIREは他の2銘柄よりかなり大きい
構成銘柄数が少ないXLREは、トップ10への偏りがかなり大きいね
構成銘柄を見ると、やっぱりRWRは他の2つとは性格が違うようだね。
セクター分散を確認しましょう
銘柄名だけでは、どのような事業をしているのかよくわかりませんね。
セクター分散を確認しましょう。
この構成比から、それぞれの特徴を抜き出してみよう。
スペシャライズドリートと商業リートに40%程度
住宅リートに10%程度
その他が少々
商業リートに53%程度
スペシャライズドリートと住宅リートに20%程度
その他が少々
こう並べると、違いがよくわかるね
そうだね。特徴がよく出てるね。
RWRと他2つとの違いは、
- RWRは商業リートと住宅リートの割合が高い
- スペシャライズドリートの割合が低い
というところですね。
まとめ
不動産セクターの特徴
2021年に入ってから、勢いよく伸びている米国の不動産セクターを紹介しました。
不動産セクターには、
- 景気敏感
- インフレに強い
- 金利上昇に弱い
という特徴があります。
現在、金利は急上昇中ではありますが、
- コロナショックからの回復が遅れていること、
- コロナ後の好景気を期待されていること、
- 金融緩和によるインフレ発生が懸念されていること
を背景に株価が伸びています。
不動産セクターETFの特徴と比較
そんな不動産セクターでは、3つのETFを日本の証券会社から買うことができます。
- IYR
- XLRE
- RWR
の3銘柄です。
IYRとXLREは似たような動きをしますが、RWRはやや異なる値動きをします。
その理由は、構成セクターに違いがあるため。
RWRは、他の2銘柄よりも商業と住宅を厚めに保有しています。
直近のリターンではRWRが最も高リターンですが、長期では最も低いリターンです。
各ETFの特徴をまとめるとこうなります。
IYR | XLRE | RWR | ||
流動性 | ◎ | ○ | △ | |
分散性 | ○ | △ | ◎ | |
配当 | △ | ○ | ◎ | |
経費 | △ | ◎ | ○ |
不動産セクターETFの選び方
最後に、せーじんの考えるETFの選び方を紹介したいと思います。
投資先の選定には、分散性を重視している。または少しでも高い配当が欲しい投資家
⇨RWRがおすすめ
機関投資家のような大規模な資産を運用しており、非常に高い流動性を重要視している
⇨IYRがおすすめ
少しでも安い経費で投資をしたい投資家
⇨XLREがおすすめ
以上、【IYR ,XLRE,RWR】米国不動産セクターETFを比較しよう!という話題でした。
本日も最後までご覧いただき、ありがとうございました。