新興国株はもう上がらない?そんなことはないと思いますよ。

こんにちは、せーじんです。

2月3日、Bloombergにこんな報道記事が掲載されていました。

モルガン・スタンレー、新興国株は今年のピークに達した可能性

Livia Yap2021年2月3日 14:18 JST

  • MSCI新興市場指数、1月時点で既に年末目標1330を突破
  • 銅価格下落やドル安定、リフレ期待の頭打ちなど8つの理由

1月に最高値に急伸した新興国株は既に今年のピークに達した可能性がある。モルガン・スタンレーがこう予想した。

  アジア新興市場担当のチーフストラテジスト、ジョナサン・ガーナー氏ら同行ストラテジストによると、MSCI新興市場指数がこれ上昇しない理由は8つあるという。同指数は先月オーバーシュートした後にモルガン・スタンレーが以前に設定した2021年末目標の1330を一時下回った。

Emerging-market stocks have overshot Morgan Stanley's estimate

  8つの理由にはMSCI指数と相関関係の強い銅価格の下落や主要4カ国によるバランスシート拡大の落ち着き、リフレ期待の頭打ち、中国の流動性引き締め、ドル相場の安定、利益修正の一服、新興国ファンドやアジア株ファンドへの「楽観的な」資金流入、新興国株に先行する傾向のある韓国株の相対的パフォーマンスが含まれる。

  ストラテジストはリポートで「われわれの見立てが正しければ、今後のパフォーマンスの鍵は市場とセクター、銘柄選択だ」と述べ、「市場に関しては、現時点でインドに最も強気で、同国の積極的な予算が見通しをさらに押し上げる」と指摘した。

  MSCI新興市場指数は1月に最大10%上昇し、最高値を付けた。新型コロナウイルスのワクチン供給や米国の追加経済対策と米金融当局のハト派姿勢は、新興国株が今年アウトパフォームするのに完璧な状況をもたらすとの楽観論が背景にあった。

出典元:BloomBerg

モルガン・スタンレーが、新興国株がすでに今年のピークに達しているというのです。

つまり、今年はこれ以上上がりませんよということ。

本当かなあ

バブル相場はまだ始まったばかり。

これで上昇が終わるとは思えません。

検証していきましょう。

今回の記事の内容

チャートを見ても下がるような気配はないですね

新興国株の中でも代表的なETFであるVTWOのチャートを確認しましょう。

よく上がってるね〜

記事掲載前後に調整がきているけど

BloomBergに記事が掲載された2月3日の直前に、小さな調整がきています

でも、その後すぐに大幅上昇していますね。

調整の幅も、毎月発生している程度の小さなものですから、

これが頭打ちに繋がるとは考えにくいですね。

移動平均線はキレイに上向き

移動平均線は、5日、20日、50日、100日、200日を表示しています。

どの移動平均線も上を向いており、上から短い順に並ぶとてもきれいな形をしています。

出来高がやや大きな状態で株価が上昇している

2020年11月以降に株価が大きく上昇しています。

この上昇している期間は、それ以前と比べると出来高がやや大きくなっています。

出来高は圧力です。

現在は、割合大きな圧力を持って上昇していますね

テクニカルで見ても下落の兆候はない

MACDとRSIを確認しましょう。

RSIは、やや過大評価を示していますが、下落の兆候はありません。

MACDはむしろ上昇の傾向を示していますね。

チャートを見ても、今後下がりそうな傾向はありそうもないですね。

新興国株が上昇しない8つの理由

この報道では、新興国株がこれ以上上昇しない理由を8つ上げています。

  1. MSCI指数と相関関係の強い銅価格の下落
  2. 主要4カ国によるバランスシート拡大の落ち着き
  3. リフレ期待の頭打ち
  4. 中国の流動性引き締め
  5. ドル相場の安定
  6. 利益修正の一服
  7. 新興国ファンドやアジア株ファンドへの「楽観的な」資金流入
  8. 新興国株に先行する傾向のある韓国株の相対的パフォーマンス

この8つの理由のうち、せーじんが気になるところを見ていきましょう。

銅価格は下落していない!

8つの理由のうちの一つ、銅価格の下落について確認しましょう。

銅価格のチャートです。

記事掲載日までは下がってるけど、、、

記事掲載日以降に大きく値上がりしているね。

銅価格の下落が新興国株頭うちの根拠の一つでしたが、銅価格は上昇しています

ちなみに、銅価格と新興国株の相関性についてはこちら

下のCC(相関関数)を見ると、ほとんどプラスの領域が赤くなっています。かなり強い相関がありますね。

相関関数についてはこちらの記事で詳しく紹介していますので、ぜひご覧くださいね。

中国の流動性引き締め

中国の流動性引き締めについては、1月27日にこのような報道がされています。

出典元:ロイター

2015年4月1日以来の高水準かあ

この時は、何があったの?

うん。2ヶ月後の2015年6月にチャイナショックという大暴落があったんだよ

うわ!大暴落だね!

2021年2月時点でのチャートはこうです

おお、記事掲載後にすごい上がってるね。
でも、2015のチャートを見るとちょっと怖いなあ

中国に限らず金利上昇が暴落の引き金になるっていうのはよくあるからね。
注意しておいたほうがよさそうだね。

ドル相場の安定

ドル相場についても気になるね。

じゃあ、チャートの確認だね

直近6ヶ月程度のドルインデックスチャートです。

下に行くほどドル安、上に行くほどドル高を示します。

黄色いチャートは、ドル円チャートを参考に示しました。

ドルインデックスは、このように動いています。

  1. コロナショック後はドル安が続いていた
  2. 2021年1月はドル高傾向
  3. 2021年2月は再びドル安傾向に

ドルインデックスも、記事掲載日以降に急激にドル安が進んでるね

そうだねえ。ドル相場の安定も、しばらく実現しそうもないね。

韓国株のパフォーマンス

最後に、韓国株のパフォーマンスを確認しましょう。

確かに、足踏みしているね

もし韓国の指数が新興国の先行指標なら、新興国も今後足踏みするかもしれないね

新興国株は、ほんとに頭打ち?

今までいろいろなデータを確認しましたが、あなたはどう思いましたか?

せーじんは、頭打ちしないんはないかなと思っています。

この記事にある頭打ちになる理由のいくつかが、掲載した日以降に大きく変わっていますからね。

銅価格が下落→急上昇

中国市場が停滞→急上昇

ドルが戻し傾向→再びドル安傾向へ

何より、新興国株自体がやや下落→急上昇となっています。

ただし、中国の金利がチャイナショック以来に高くなっています。

暴落は、いつどこで発生するかわからないので、しっかりと準備をしておきましょう。

暴落への備えは、こちらの記事をご覧ください。

以上、新興国株はもう上がらない?そんなことはないと思いますよ。という話題でした。

本日も最後までご覧いただきありがとうございました。

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