こんにちは、せーじんです。
米国の長期金利の上昇によって、世界の株価が大荒れです。
これを受けてか、投資関連の報道やブログ記事、Youtube、掲示板などで、
これからはバリュー株の時代が来る
とか、
グロース株はもう売った方がいい
といった意見が多く見られるようになりました。
今日の記事では、
本当に、グロース株の時代は終わるの?
バリュー株って、何を買えばいいのさ
そもそもバリューとかグロースって何?
といった疑問に対して、せーじんの考えを披露して参ります。
バリュー株とかグロース株って何?
そもそもさ、バリュー株とかグロース株ってなんなの?
明確な定義はないけど、イメージはこうだね
割安株とも言います。
今後の利益や業績の成長に期待ができず、本来の企業価値よりも割安で取引されている株です
業種でいうと、金融、エネルギー、通信、一般消費財などが含まれます。
主なバリュー株は、バークシャーハサウェイ、エクソンモービル、AT&T、P&G
成長株とも言います。
今後の利益や業績の成長に期待し、現時点での企業価値を超える価格で取引されている株です
GAFAMや情報技術セクターがこれに当たります。
主なグロース株は、アップル、マイクロソフト、アマゾン、エヌビディア、テスラ
グロース株、バリュー株はPER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)で判断することができます。
グロース株はPERが1000を超えるなど、極端に高くなることがあります。
バリュー株はPBRが低く、1.0を切ることもありますね。
要するに、
バリュー株は成長しなそうだから割と安い株、
グロース株はすごく成長しそうだけどその分割高な株
ってことね
まあ、そんな感じです
チャートを確認しよう
それでは、バリュー株とグロース株のチャートを確認しましょう。
バリュー株とグロース株のチャートは、それぞれのETFを使用しています。
条件を揃えるために、S&P500もETFを使用しています。
- バリュー株:SPYV
- グロース株:SPYG
- S&P500:SPY
2021年に入ってから、グロース株が弱くバリュー株がよく伸びている
まずは2021年の年初来チャートです。
緑のバリューが+9%、グロースはマイナスかあ。
やっぱりグロースが弱いね
そうだね。2月中旬以降は特にグロースが弱いね。
S&P500はちょうど真ん中あたりだね。
チャートの形はバリューよりもグロースに似てる感じ
グロースの方が時価総額が大きい銘柄が多いからね。
S&P500はどうしてもグロースの比重が大きくなっちゃうんだよ
長期(2000年〜)チャートを確認しよう
次に、長期的な値動きを確認しましょう。
2000年以降の20年間チャートです。
青のグロースと緑のバリューを比較すると、どうかな?
2000年からの20年間は、緑のバリューの方がずっと上なんだね。
それが、コロナショックを機に入れ替わってる。
あれ、なんかイメージと違うな
スタート地点がちょうどITバブル崩壊の時だから、グロースが大きく下がってるよね。
これだとどっちが強いかよくわからないから、違うチャートを使おうか
S&P500が強すぎる
あと、長期チャートですごく気になるんだけど
S&P500?
そう。バリューよりもグロースよりも上に行ってるよね。
平均のはずなのに
それがS&P500のよくできているところだね。
バリューが強い時はバリューから恩恵を受け、グロースが強い時はグロースから恩恵を受けているんだよ。
投資の神様ウォーレンバフェットが、妻に宛てた手紙で
と記しています。
1年で2倍になったりといった派手さはありませんが、
どのような時代であっても、ある程度の伸びを期待できる。
さすが、バフェットが勧める指数だけありますね。
詳しくはこちらの記事で紹介しています。
グロースバリューレシオで、どちらが強かったかを確かめよう
グロースバリューレシオとは
違うチャートって何を使うの?
グロースの株価をバリューの株価で割った、グロースバリューレシオを使うよ
グロースバリューレシオ=グロースの株価÷バリューの株価
金や銀、プラチナの記事で紹介した金銀レシオや金プラチナレシオと同じ考え方ですね。
今回はグロース÷バリューなので、
- 上昇するほどグロースが強い
- 下落するほどバリューが強い
ということになりますね。
それでは、早速見ていきましょう!
グロースバリューレシオの長期(20年間)チャートを確認しよう
グロースバリューレシオの長期(20年間)チャートがこちらです。
2000〜2006年は、バリューが強い6年間
2000年のITバブル崩壊からリーマンショック直前までは、バリューが強い相場にありました。
ITバブル崩壊によって、グロース株は甚大なダメージを負ってしまったためです。
2007〜2020年8月は、グロースが強い13年間
リーマンショック(2008年)、コロナショック(2020年)を挟んだこの期間は、グロースが優勢の相場でした。
特に、コロナショック後はグロースの優勢が増しています。
各国で実施された外出禁止によって、自宅で楽しみ仕事をするためのテクノロジーが業績を上げ、
外食や航空を始めたとした従来型の産業が甚大なダメージを負いました。
2020年9月以降は、再びバリューが強い期間に
2020年9月以降は、再びバリューが強さを取り戻しています。
2020年9月といえば、ソフトバンクグループが40億ドルもの巨額なコールオプションを買い、
ナスダックが暴落したという事件が発生しましたね。
あれが大きな流れの転換になってしまったのでしょうか。
11月の米国大統領選挙後の大暴騰でもこの流れは変わらず、
急激にバリュー株への揺り戻しがきています。
グロースの時代は終わるの?
グロースバリューレシオを確認しけど、
今までのグロースへの偏りが大きかった分、バリューへの揺り戻しがきてるね
えー、じゃあグロース株の時代は終わるってこと?
いや、グロースが終わるんじゃなくて、バリューが伸びると言った方がいいかな?
??
簡単にいえば、グロースは伸びる、バリューはすごく伸びる、という関係になるんじゃないかな
グロースバリューレシオは、グロースとバリューの株価の比率を見たものです。
グロースバリューレシオはこれから下がる(=バリューが優位)となることが想定されますが、
グロースバリューレシオが下がるからといって、グロースが下がるとは限らないんですよ。
- グロースが下がり、バリューが上がる
- グロースが大きく下がり、バリューが下がる
- グロースが上がり、バリューが大きく上がる
せーじんが想定しているシナリオは、
①ではなくて、③ということです
実は、米国株はいつでもそうなっていることが、すでにお見せしたチャートでもわかるんですよ。
このチャートです。
グロース、バリュー、S&P500を比較したチャートです。
これを、見やすいように加工しましょう。
大きな矢印は、グロースバリューレシオが上がっているか、下がっているかを表しています。
あ、レシオが下がってる時でもグロースが上がってるし、
レシオが上がってる時でもバリューも上がってるよ
バリューグロースレシオは、バリューとグロースを比較するとどちらが強いか、という指標です。
だから、弱い方が下がるとか、強い方が上がるということではありません。
これからバリューが強い時代が来る確率は高いように見えます。
しかし、グロースがオワコンになるということではありません。
グロースもしっかり成長し続けますよ。
バリュー株って、何を買ったらいいの?
バリュー株って色々あると思うんだけどさ、何を買ったらいいの?
バリュー株の説明のところであげた銘柄は、鉄板だね。
バークシャーハサウェイ、エクソンモービル、AT&T、P&G
他にも、ジョンソンエンドジョンソン、ベライゾン、ウォルトディズニー、シェブロン、バンク・オブ・アメリカなどが代表的なバリュー株ですね。
どの銘柄も歴史ある伝統的で、間違いない銘柄です。
しかし、より分散性を高めて安全性を増すためにはETFを使用するといいですね。
SPDRポートフォリオS&P500バリュー株式ETF(SPYV)
バンガードS&P500バリューETF(VOOV)
バンガード米国バリューETF(VTV)
この辺りであれば、経費も安いですし、
S&P500とも少し違う値動きをしますから分散性を高めるにはちょうどいいかもしれません。
まとめとせーじん解説
巷を賑わせている、
これからはバリュー株の時代!
グロースは終了!
というお話について解説してみました。
確かに、これからはバリュー株が強い時代に移る可能性が高いでしょう。
しかし、バリューが強い時代でも、グロースも成長します。
過去の事例を見ても、バリューが強い時代はグロースが停滞するといったことはありませんし、
グロースが強い時代であっても、バリューも成長しています。
トレンドは動くもの。長期戦略を大きく変える必要はありません。
そもそも、現在は緩和マネーが溢れたバブルに向かう時代であり、余計な動きをしなければ資産は増えます。
米国の政策金利の利上げは、早くても2022年10月-12月期だろうとの推測が広がっています。
であれば、あと1年はイケイケ相場が続くのでは!
多少の調整を挟みながら上昇するのが、健全な相場環境です。
長期目線であれば、狼狽しないよう落ち着いて構えつつ、
米国政府やFRBの動きをしっかりウォッチしていきましょう。
ただし、中国では引き締めの動きが見え始めているので、中国関連株には注意した方がいいかも
以上、これから強いのはバリュー株?グロース株?大きな流れを見る指標とはという話題でした。
本日も最後までご覧いただき、ありがとうございました。