こんばんは、せーじんです。
今回は、素晴らしい成長を続ける米国株の10セクターを比較し、成長しているセクター、今後成長しそうなセクターを探していこうと思います。
セクターETFについては、以下の記事でも取り上げました。
それでは、はりきってまいりましょう!
セクターとは
セクターとは
業種やテーマ、材料など株式が持つ特性に着目して分類したグループのこと。
相場や市場を分析する際に用いられ、セクターごとの業績やセクター内の株価を比較して投資の判断材料とします。
(大和証券webページより)
米国と日本では、セクターの分け方が異なりますが、両国ともセクターごとにETFがあり、ETFを購入することでその分野にまとめて投資することができるようになっています。
インデックス投資だけでは物足りないという方や、特定分野に高成長の可能性を感じる、といった方に広く愛されています。
エントリー選手
今回の比較にエントリーするのは、以下の10銘柄です。
セクター | ティッカー |
米国情報技術セクター | VGT |
米国一般消費財・サービス・セクター | VCR |
米国ヘルスケア・セクター | VHT |
米国公益事業セクター | VIS |
米国金融セクター | VFH |
米国生活必需品セクター | VDC |
米国エネルギー・セクター | VPU |
米国素材セクター | VAW |
米国通信サービス・セクター | VOX |
米国資本財・サービス・セクター | VDE |
リターンの比較
それでは、この10銘柄のリターンを、わかりやすくグラフにしましょう。
2010-2020年
まずは10年リターンからです。
さすがにグラフを10本も重ねると見えずらいですね。
とくにごちゃごちゃになっている前半部分は、あとで拡大してお話します。
よくわかるのは、情報技術VGTがずば抜けていること、次いでヘルスケアVHTと一般消費財VCRが好成績を収めていること。
資本財VDEだけがマイナス成長していることでしょうか。
青い線の、S&P500の位置にも注目してね。
S&P500って市場全体の平均なのに、4位になってるね。なんで?
S&P500のセクターの割合が一定じゃなくて、成績の良い情報技術や一般消費財、ヘルスケアの割合が高くなっているからだよ。
S&P500は第4位ですから、市場平均に勝っているセクターは、情報技術や一般消費財、ヘルスケアのみということになります。
S&P500指数のセクター別割合
情報技術 | 28.7% |
ヘルスケア | 14.0 % |
一般消費財 | 11.5 % |
通信サービス | 11.1 % |
金融 | 9.6 % |
資本財 | 8.0 % |
生活必需品 | 6.9 % |
公益 | 2.8 % |
不動産 | 2.6 % |
素材 | 2.5 % |
エネルギー | 2.3 % |
2010-2014年
前半のごちゃごちゃ部分を拡大してみます。
さっきのチャートとは全然違うね。
そうだね。一番目立つのはどこかな?
一番成績の良いセクターが、ほぼ同成績でヘルスケアVHTと一般消費財VCRになってるよ。情報技術VGTはどこにいったんだろう。
青いラインのS&P500よりも下、第5位につけてるね。
えー!平均よりも下だったの?
2014年までは市場平均以下だったなんて、いまの情報技術からは想像もつきません
そこからの6年間の成長の凄まじさを感じるとともに、情報技術の天下が続くわけではないということを認識しておくべきでしょう。
また、資本財VDEもマイナス成長ではなく、エネルギーや素材などよりも好成績を収めています。
2015-2020年
次は直近5年間で比較してみましょう。
ここは、情報技術VGTのターンですね。
まさに他を圧倒しています。
2位の一般消費財VCRの2倍以上のリターンを示しており、その影響でS&P500の順位が3位にまで上昇しています。
市場平均を上回るセクターは2つのみで、残り8セクターは市場平均以下です。
市場平均て何なんでしょうか。
これは、いかにS&P500が優れた指数であるかをよく示しているといえるでしょう。
2020年初来
最後に、2020年1月からの年初来で比較しましょう。
あんなに圧倒的だった情報技術VGTのリターンが、他のセクターに追いつかれています。
ずいぶん差が縮まってるね
2020年9月時点では、一般消費財VCRとほぼ並んでいます。
S&P500の順位も5位に落ちていて、市場平均を示す指数という意味ではバランスが良くなったように感じます。
一方、公益VIS、エネルギーVPU、金融VFH、資本財VDEの4セクターはマイナスに転じたままですが、いずれも上昇の傾向がみられるため、近いうちに再びプラス圏に戻ることでしょう。
資本財VDEはかなり時間がかかりそうですが。
ここまで、いろいろな期間で区切ってセクターごとのリターンを見てきました。
せーじんの注目
せーじんが注目したのは、一般消費財VCRです。
一般消費財VCRの特徴
- どの区間で見ても常に市場平均を上回る
- 年初来リターンが情報技術と並ぶほど良い
- 1957-2003のデータでも、成長率はヘルスケアに次いで第2位(ジェレミーシーゲル著書「株式投資の未来」より)
今後のパフォーマンスは、長期で見れば情報技術VGTを上回るかもしれません。
次回は、一般消費財VCRについてお伝えします。
まとめ
直近5年間は情報技術VGTのリターンが圧倒的に良いが、その前の5年間は市場平均を下回っていた。
2020年年初来リターンでは、情報技術のリターンも圧倒的ではなくなっている。
ここ10年で見ても成長するセクターは入れ替わっており、今後も入れ替わりがあるだろう。
どの区間でみても、一般消費財VCRは市場平均を上回り安定したパフォーマンスを示している
市場平均といっても、成績のいいセクターが多く配分されるため良いパフォーマンスを見せ、これを常に上回ることは難しい。
以上、米国株の10セクターを比較!少し前まで情報技術も市場平均以下?という話題でした。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。