こんばんは、せーじんです。
前回の米国株のセクターを徹底比較する記事を作成する中で、せーじんは、一般消費財セクターのすばらしさに注目しました。
1957年から2003年の区間でも、2010年から2014年でも、2015年から2020年でも、安定してS&P500を上回る優秀なパフォーマンスを見せていたからです。
ということで、今回は一般消費財セクターにまとめて投資するETFについて紹介します。
その名も、バンガード・一般消費財セクターETF(VCR)です。
バンガード・一般消費財セクターETF(VCR)の概要
一般消費財セクターは、自動車、アパレル、レジャー用品、ホテル、レストラン、消費者向け小売業など、景気循環に対し最も敏感な傾向にある製造業およびサービス業の企業で構成されています。
- 設定日 : 2004/01/26
- 基準通貨 : USドル
- ETF純資産総額 : $ 30.71 億ドル(2020/06/30 現在)
- 主取引所 : ニューヨーク証券取引所
- 地域 : 米国
- 時価総額/投資スタイル : 大・中・小型株 / セクター
- 経費率(年率): 0.10%
- 配当利回り(年率):1.13%
経費率が0.10%ですから、VGTと同じで、S&P500のETFであるVOOの0.03%よりは高いですね。
VOOが安すぎるだけです。
VCRの経費0.10%も十分に安いといえます。
100万円投資したら年間の経費が1,000円ね。
また、配当利回りは1.13%とかなり低めですね。
配当目当てに保有する銘柄ではありません。
リターン
ジェレミー・シーゲルによる著書「株式投資の未来」には、1957~2003年の一般消費財セクターのトータルリターンは、全セクター中でヘルスケアセクターに次ぐ第2位となっています。
さらに前回記事でも紹介した通り、直近10年間、5年間のパフォーマンスも第2位、今年年初来のパフォーマンスに至っては情報技術を上回る第1位となっています。
今回のVCRは、市場平均であるS&P500や情報技術セクターのETFであるVGTとの比較も含めて、お話をしていきます。
ここからは、S&P500や情報技術VGTとの比較を通してVCRの特徴を見ていきましょう。
S&P500、情報技術VGTとの比較
まずは、10年チャートで比較してみます。
青:VCR 赤:SPY 緑:VGT
青のVCRは、10年間で+353.6%ですから、10年前に100万円投資していたら現在453万6千円になっていたわけですね。
情報技術には及ばないものの、充分に優秀なパフォーマンスです。
最終的には逆転されていますが、2017年の中頃までは情報技術セクターを上回っています。
S&P500に対しては終始上回っています。
これって結構すごいことなんですよ。
次に5年チャートで比較しましょう
5年間で比較すると、かなり印象が変わるね。
そうだね。最近の一般消費財セクターのパフォーマンスは、市場平均のS&P500を下回ってる期間が長いね。
次に、2020年1月以降の9か月間で比較してみましょう。
2020年に入ってから、情報技術より株価が伸びてるね。すごい!
5年チャートで見せていた弱さがなくなり、再び情報技術を上回る強さを見せています。
後ほど紹介しますが、この値動きは構成比で23%を占めるアマゾンと、わずか3.6%ではありますが大暴騰したテスラが大きく影響しています。
構成銘柄と組入れ比率
VCRの構成銘柄上位10銘柄です。
銘柄 | 組入れ比率 |
アマゾン | 22.9% |
ホームデポ | 8.0% |
マクドナルド | 4.1 % |
テスラ | 3.6 % |
ナイキ | 3.6 % |
アボット・ラボラトリーズ | 3.1 % |
ロウズカンパニー | 2.6 % |
スターバックス | 2.0 % |
ブッキング | 1.8 % |
TJXカンパニー | 1.8 % |
ターゲット |
VCRは上位10銘柄合計で全体の53.5%程度構成比であり、上位2銘柄で31%の割合となっています。
VGTは上位2銘柄で40%弱でしたから、比較すると分散がよく効いたETFといえます。
1位のアマゾンと4位のテスラは、せーじんも個別株で所有していますよ。
4位のテスラは、2020年に入ってから大暴騰しその後暴落したことやS&P500に組み込まれるかどうかで大きな話題になりましたね。
これからどうなる?せーじんの予想
VCRはその23%をアマゾンが占めており、アマゾンの影響を強く受けます。
世界中でコロナウイルスとの共生に向けた社会を作っていく中で、店舗に足を運ばすに買い物ができるアマゾンは、今後も伸び続けるでしょう。
ビジネスや教育においても在宅で仕事や授業を行う機会が増えることは、アマゾンの提供するクラウドサービスAWSの売り上げに強い追い風となります。
8%を占めるホームデポも順調に業績を伸ばしており、世界一の電気自動車メーカーであるテスラは類まれな自動運転技術を所有しており今後も大きな成長を期待できます。
せーじんとしては、一般消費財セクターはこれからも安定した成長を続けていくと考えています。
ただし、一般消費財セクターのみへの集中投資はお勧めしません。
未来は何が起こるかわかりませんから、あらゆるリスクに備えるという意味でも、より分散の効いたS&P500と合わせて投資したほうがいいですね。
まとめ
1 一般消費財セクターは、長期間にわたり安定した高成長を遂げている
2 2020年の年初来では全セクター中トップの株価成長
3 VCRの組み入れ比率はアマゾンが23%を占めていて、その影響を強く受ける
4 コロナとの共生社会はアマゾンに強い追い風となり、今後も安定した成長を期待できる
5 過度な期待は禁物。S&P500と合わせて投資し、セクター分散に努める
以上、60年以上も安定した高成長!一般消費財はS&P500より優秀?という話題でした。