こんにちは、せーじんです。
今回の話題は、ワクチン開発と株価の関係、バリュー株とグロース株の違いについてです。
新型コロナのワクチン開発がニュースになったじゃない?
そうだね。11月10日ごろのニュースだよね。
そのニュースが出て、日経平均が29年ぶりの高値とか、ダウ平均が最高値とか聞く割には、GAFAM凋落なんていうニュースもあるけど、これってどういうこと?
それじゃあ、今日はその辺のお話をしていこうか
上場株は、大きくわけてグロース株とバリュー株に分類できます
上場株は、大きくわけてグロース株とバリュー株に分類できます。
- グロース株とは、企業として成長性の高い銘柄であり、ハイテク産業に多くあります。(AMAZON、APPLE、FACEBOOKなど)
- バリュー株とは、成長性の高い時期が過ぎて安定期に入った銘柄であり、ヘルスケアや金融が多い(ジョンソン&ジョンソン、JP・モルガン、ウォルトディズニーなど)
米国のETFには、グロース株にまるごと投資するVUG、バリュー株に丸ごと投資するVTVがあります。
グロース株とバリュー株の株価を比較するときには、こちらのETFを使用します。
グロース株 | バリュー株 | |
ETF名称 | バンガード・米国グロースETF | バンガード・米国バリューETF |
ティッカー | VUG | VTV |
総資産 | 547億4000万ドル | 505億1000万ドル |
構成銘柄 | 257 | 329 |
設定日 | 2004.1.26 | 2004.1.26 |
経費率 | 0.04% | 0.04% |
バンガード・米国グロースETF(VUG)の構成
セクター別構成比率
セクター | VUG |
---|---|
テクノロジー | 45.7 % |
一般消費財 | 22.5 % |
資本財 | 12.7 % |
ヘルスケア | 8.8 % |
不動産 | 3.2 % |
金融 | 2.8 % |
素材 | 1.3 % |
生活必需品 | 1.3 % |
電気通信 | 1.2 % |
Energy | 0.3 % |
公益 | 0.2 % |
やはり、テクノロジーが最も多く、45.7%も占めています。
銘柄別構成比
保有銘柄 | シンボル | ファンド構成比 |
---|---|---|
Apple Inc. | AAPL | 10.52000 % |
Microsoft Corp. | MSFT | 9.62000 % |
Amazon.com Inc. | AMZN | 8.11600 % |
Facebook Inc. Class A | FB | 3.97200 % |
Alphabet Inc. Class A | GOOGL | 3.04900 % |
Alphabet Inc. Class C | GOOG | 2.88600 % |
Visa Inc. Class A | V | 1.85900 % |
NVIDIA Corp. | NVDA | 1.84500 % |
Tesla Inc. | TSLA | 1.81600 % |
Home Depot Inc. | HD | 1.80300 % |
GAFAMが勢ぞろいしています。
10銘柄中7銘柄がS&P500の構成比トップ10銘柄と同じです。
違うのは、ビザ、テスラ、ホームデポが入っていることですね。
S&P500ではこの3銘柄の代わりに、バークシャーハサウェイ、ジョンソンエンドジョンソン、P&Gが入っています。
バンガード・米国バリューETF(VTV)の構成
セクター別構成比率
セクター | VTV |
---|---|
ヘルスケア | 19.5 % |
金融 | 18.3 % |
資本財 | 12.5 % |
生活必需品 | 11.7 % |
一般消費財 | 8.6 % |
公益 | 7.6 % |
電気通信 | 6.9 % |
テクノロジー | 6.3 % |
Energy | 3.9 % |
素材 | 2.5 % |
不動産 | 2.2 % |
グロース株の構成とは大きく異なります。
バリュー株でテクノロジー株が占める割合はわずか6.3%であり、ヘルスケアと金融で40%近くを占めています。
資本財の割合は12.5%とグロース株と大差ないのが面白いですね。
銘柄別構成比
保有銘柄 | シンボル | ファンド構成比 |
---|---|---|
Berkshire Hathaway Inc. Class B | BRK.B | 3.15000 % |
Johnson & Johnson | JNJ | 2.93700 % |
Procter & Gamble Co. | PG | 2.77300 % |
JPMorgan Chase & Co. | JPM | 2.43100 % |
UnitedHealth Group Inc. | UNH | 2.36000 % |
Verizon Communications Inc. | VZ | 1.91900 % |
Walt Disney Co. | DIS | 1.78300 % |
Pfizer Inc. | PFE | 1.60400 % |
Walmart Inc. | WMT | 1.59800 % |
Comcast Corp. Class A | CMCSA | 1.56700 % |
上位3社はS&P500の構成銘柄トップ10に入る銘柄ですね。
コロナウイルスの流行で成長したグロースと、凋落したバリュー
2020年の年初来チャートを見てみましょう。
グロースとバリューの違いはどう?
バリュー株は、まだコロナ前まで回復してないんだね。ずいぶん差がついてるなあ。
コロナウイルスの流行がはじまってから、世界中の人々の生活が自宅で楽しむことやリモートワークなど、インターネットをより利用する生活に変容しました。
また、金融危機への対応として世界中で異次元の金融緩和が行われ、金利は史上まれにみる超低金利となっています。
このため、ハイテク産業を中心としたグロース銘柄が業績を伸ばした一方、伝統的な産業である小売りや航空、金融などの業績はがた落ちしました。
グロース銘柄の多い米国ナスダックや日本のマザーズは勢いに乗り、コロナショック前の高値を軽々と越えて成長していく一方、比較的バリュー銘柄の多いダウ平均や日経平均は伸び悩んでいたのです。
ワクチン開発により流れが変わる
2020年10月以降の株価を見てみましょう。
11月10日ごろまでは、グロースもバリューもほぼ同じ動きをしています。
しかしワクチン開発のニュースが流れた11月9日(日本時間では11月10日)から流れが変わっています。
ワクチン開発によりコロナのない世界に戻る可能性を織り込もうとしたのです。
すると、今まで投げ売られていたバリュー銘柄を買い、グロース銘柄を売る動きが大きくなってきました。
それまでとは全く逆の動きが出てきたのです。
コロナウイルス感染の再拡大
ニュースなどで報道されている通り、北半球の米国、欧州、日本などで再び感染が拡大しています。
日本の感染者数推移
アメリカの感染者数推移
全世界の感染者数推移
日本は欧米とは桁が違いますが、感染が拡大傾向にあります
フランスやドイツでは再ロックダウンが実行されており、米国のニューヨークでは学校が閉鎖されています。
世界の経済は深刻な状況に陥る可能性があります。
今後はどうなるのか
2020年11月現在、新型コロナウイルスの感染再拡大が進んでいます。
しかし、前回の感染拡大期と異なり、すでにウイルスの特性がある程度知られています。
ワクチン開発がファイザーのほかモデルナでも進められています。
他にも、開発中のワクチンがいくつもあります。
せーじんは、近いうちにコロナとの戦いに勝利を収めると考えています。
だからといってバリュー株が元の水準まで戻るかというとそれも疑問です。
家族だけで楽しむ習慣やリモートワークはある程度浸透しており、完全にコロナ流行前の社会に戻ることはない、と考えているからです。
まとめ
グロース株とは企業として成長性の高い銘柄であり、ハイテク産業が多い。
バリュー株とは、成長性の高い時期が過ぎて安定期に入った銘柄であり、ヘルスケアや金融が多い。
コロナウイルスの流行により、成長したグロースと、凋落したバリューという構図となったが、ワクチン開発により流れが変わりました。
コロナのない世界を見据え、今まで投げ売られていたバリュー銘柄を買い、グロース銘柄を売る動きが出てきたのです。
コロナウイルス感染の再拡大により市場では、感染拡大初期のような、株の全面安となっています。
しかし、せーじんは、近いうちにコロナとの戦いに勝利を収めると考えています。
だからといってバリュー株が元の水準まで戻るかというとそれも疑問ですが。
以上、ワクチン開発と株価の関係は?ワクチンによってバリュー株が伸びる?という話題でした。
最後までご覧いただきありがとうございました。